大村知事のアジア大会巡る発言 タイ側反発と運営課題
大村知事のアジア大会発言 タイ側反発と運営課題

愛知・名古屋アジア大会を巡り、大会組織委員会の会長を務めた大村秀章愛知県知事が6日の定例記者会見で、新競技「テックボール」のタイ代表関係者について「こういう人は来てほしくなかった」と述べた。この発言はタイのメディアで大きく取り上げられ、反発が広がった。

大村氏は8日に「(来てほしくなかったではなく)言ってほしくなかった、という形に言い回しを変える」と釈明した。組織委会長としての正式な取り消しと、タイ側への謝罪が求められている。

テックボールを巡る経緯

テックボールはアジア・オリンピック評議会の強い要望で、今大会から正式競技に追加された。会場やメダルは組織委が用意するが、準備や運営は競技団体が担い、食事も提供することになっていた。

タイ代表の監督らが9月中旬、会場で出された食事の量や種類が少ないとSNSで投稿し、話題になった。組織委の責任外のことまで非難されるのは筋違いと大村氏が感じた可能性はあるが、短慮な発言であり、タイ側の批判を招いたのは当然である。組織委は競技関係者ともっと意思疎通を図るべきだった。日タイ関係に悪影響が及ぶようなことがあれば、何のためにアジア大会を招致したのか、という疑問すら出る。

相次ぐ運営の不備

今大会では他にも、さまざまな問題が指摘されている。コンテナ型の宿舎が貧弱だという批判に始まり、送迎バスの配車漏れなどが相次いだ。

国旗や国歌の取り扱いにも不備があり、例えばホッケー男子では韓国選手団の試合前の整列時に北朝鮮の国歌が流れる重大ミスが起きた。野球の日本・台湾戦では日本の旭日旗と台湾の青天白日満地紅旗の持ち込みを禁じる張り紙が掲示され、組織委が謝罪する事態となった。オリンピックをはじめ国際スポーツ大会でトラブルはつきものといわれるが、今回は殊更お粗末と言わざるを得まい。

アジアパラ競技大会へ向けて

18日からはアジアパラ競技大会が始まる。大村氏は組織委会長として、今度こそ全ての参加選手が競技に集中できるよう、運営に努めるべきである。