オーソン・ウェルズ『審判』4Kレストア版、2026年9月25日公開決定
オーソン・ウェルズ『審判』4Kレストア版、9月25日公開

オーソン・ウェルズがフランツ・カフカの小説を映画化した『審判』(1962年)が、『審判 4K レストア版』として2026年9月25日より新宿武蔵野館を皮切りに全国順次公開されることが決定した。あわせて、本作のビジュアルと予告編も公開されている。

4Kレストア版の詳細

今回の4Kレストア版は、STUDIOCANALとシネマテーク・フランセーズによって作業が行われた。オリジナル35mmネガをもとに、L'Image Retrouvéeにて映像・音声の修復が施されている。これにより、ウェルズが創り出した悪夢のディテールがより鮮明になり、観る者を逃げ場のない世界へと誘う。

ウェルズが「最高の作品」と語る背景

『審判』は、カフカの長編小説をウェルズが1962年に映画化した作品。これまで何度か映画化されているが、本作が特に知られているバージョンである。ウェルズ自身は「私がこれまでに作った中で最良の映画」と語っており、映画史、文学、モダニズム、不条理の表現をめぐる重要作として、現在も高く評価されている。

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製作は、プロデューサーのアレクサンダー・サルキンドからカフカの小説映画化を持ちかけられたことに始まる。ファイナル・カットを含む自由裁量を得たウェルズは、原作に忠実な翻案ではなく、「カフカを相棒にした」自らの映画として本作を再構築した。ザグレブ、ローマ、当時使われていなかったパリのオルセー駅で撮影された本作では、荒廃した駅舎や巨大なオフィス、方向感覚を失わせる空間が、ヨーゼフ・Kの置かれた不条理な世界を視覚化している。

映像表現とテーマ

ウェルズはこの物語を、官僚制への不安、個人を押し潰す見えない権力、そして罪悪感の悪夢として描き出した。広大で荒廃した空間、極端な構図、モノクロームの光と影が、カフカの不条理を映画ならではの体験へと変えている。公開当時は賛否を呼びながらも、今日ではウェルズ映画における不可欠な一本として位置づけられている。

公開ビジュアルと予告編

公開となったビジュアルでは、暗闇の中に浮かぶ複数の人物と群衆のイメージが、不条理な裁きに巻き込まれていく本作の不穏な世界を印象づける。黒を基調とした画面に大きく刻まれた「審判」の文字、そしてウェルズ自身による「私がこれまでに作った中で最高の作品」という言葉が、作品の異様な存在感を際立たせている。

あわせて公開された予告編では、身に覚えのない罪で逮捕を告げられたヨーゼフ・K(アンソニー・パーキンス)が、正体の見えない裁判、迷宮のような空間、巨大なオフィスへと追い込まれていく。4Kレストア版によって、ウェルズが作り上げた悪夢のディテールがより鮮明となり、観る者を逃げ場のない世界へと誘う。

ストーリー

ある朝、会社員ヨーゼフ・K(アンソニー・パーキンス)は、自室に現れた警官たちから、理由も告げられぬまま逮捕を宣告される。自分が何の罪に問われているのかも分からないまま、彼は奇妙で不可解な裁判制度の世界へと足を踏み入れていく。法廷、弁護士、看護師、画家、司祭——彼の前に現れる人々は助けになるようでいて、かえって迷宮を深めていく。巨大な事務所、荒廃した駅舎、終わりの見えない廊下。ウェルズはカフカ的な不条理を、圧倒的な空間演出とモノクロームの陰影によって映像化した。

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出演者とスタッフ

  • ヨーゼフ・K:アンソニー・パーキンス
  • 弁護士ヘイスティ:オーソン・ウェルズ
  • エルナ:ジャンヌ・モロー
  • レニ:ロミー・シュナイダー
  • ヒルダ:エルザ・マルティネッリ
  • ミス・ピトル:シュザンヌ・フロン

スタッフは、監督・脚本:オーソン・ウェルズ、製作:アレクサンダー・サルキンド、撮影:エドモン・リシャール、美術:ジャン・マンダルー、音楽:ジャン・ルドゥリュー。

公開情報

『審判 4K レストア版』は、2026年9月25日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。カフカの不条理世界が、4Kの鮮明な映像で蘇る。