映画『スワロウテイル 4Kリマスター』(9月4日公開)の先行上映イベントが21日、都内で開催され、監督の岩井俊二氏(63)と音楽を担当した小林武史氏(67)が登壇した。岩井監督は、30年前の試写会で未完成のフィルムを私物として税関を通したことを明かし、会場の笑いを誘った。
30年ぶりにスクリーンへ
イベント冒頭、岩井監督は「4Kリマスターということで30年ぶりにスクリーンに蘇ってきた。30年前に、この作品はロサンゼルスで仕上げた。そういうことをやってみたいという若気の至りで(笑)」と当時を懐かしんだ。本作は、岩井監督が脚本・監督を務め、小林氏が音楽を手掛け、劇中から誕生したロックバンド「YEN TOWN BAND」のプロデュースも行った作品だ。
30年越しの懺悔
岩井監督は会場を見渡し、当時の試写会の出来事を語り始めた。「皆さんにお披露目という時に間に合わなくてですね」と苦笑いで打ち明け、「どうしようかとみんなで相談した。できかけのフィルムがあるので『監督、運んでください』と。私物としてフィルムを(ロサンゼルスから)運び入れた。これ、もう時効だからいいと思いますけど、私物で運ぶようじゃないものを『僕の映画です』と言いながら税関を通った」と懺悔した。
さらに「できあがってない部分のフィルムを切って、つないで、一応、観られる状態にして観てもらった」と当時の苦肉の策を明かした。カットしたのはアゲハチョウのシーンで、「CGが間に合ってなくて。飛んでいる体の画だけでチョウがいなくて。さすがに見せるわけにはいかなかった」と30年越しの秘話を語った。
『スワロウテイル』の物語
『スワロウテイル』(1996年)は、公開当時33歳の岩井監督にとって『Love Letter』(1995年)に続く長編映画第2作。かつて“円”が世界で最も強い通貨だった頃の架空都市を舞台に、母を亡くした少女と、歌手を夢見て上海からやって来た娼婦グリコら移民たちの生きざまを描く。街は移民たちから“円都(イェンタウン)”と呼ばれ、日本人は移民たちを“円盗(イェンタウン)”と呼んで蔑んでいた。



