トランプ政権下の世界に懸念、「真実と反逆」監督が語る
トランプ政権下の世界に懸念、映画監督が語る

ナチス政権下のドイツ・ハンブルクで、真実を伝えるために闘った16歳の少年たちの実話を描く映画「真実と反逆~ナチスと闘った若きレジスタンス~」が10月16日から、ヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)ほかで全国順次公開される。監督のマット・ウィテカー氏は、映画を通じて真実を追求する大切さを強調すると同時に、「現代の世界をとても心配している」と語る。

25年前の出会いから映画化へ

ウィテカー監督は、20年以上前から映画化を考えていたという。25年前の2001年6月6日、映画の主人公で処刑されたヘルムス・ヒューベナーの親友だったカール・ハインツ・シュニブ氏に会い、ドキュメンタリーを制作してテレビで放映した。

その際、「これは大きなスクリーンで見せたい、映画はどうか」と考えた。カール氏も「それはいい」と賛成した。ヘルムスから処刑前に「僕のことを覚えておいてほしい」と託されていたからだという。

実在の秘密国家警察官が語る複雑な真実

映画には、ヘルムスたちを捜査した秘密国家警察のエルヴィン・ミュセナーが、ヘルムスを「大義に身を投じて愛する人を傷つけた」と批判するシーンがある。エルヴィンは実在の人物で、愛情あふれる夫であり、父親である非常に純粋な好人物だが、次の瞬間には捕まえた人物を拷問にかけるなど、非常に暴力的にもなれる複雑な面を持っていた。

ウィテカー監督は、そのような人物を描くなかで、真実に耳をふさぐ傾向があると気づいたと語る。エルヴィンがヘルムスに語った言葉は、実は自分自身に言い聞かせているセリフなのだという。

第2次トランプ政権下の変化への懸念

ウィテカー監督は、第2次トランプ政権下の変化について「クーデターや革命後の現象に近い」と述べ、現代の世界への懸念を示している。映画は、情報や思想が極端に統制された社会で真実を伝えることの重要性を問いかける内容となっている。