SF映画の金字塔とされる「ブレードランナー」シリーズは、1982年にリドリー・スコット監督によって第1作が製作されました。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を映像化した本作では、ハリソン・フォードが主人公のブレードランナーを演じています。
公開時の評価は高くなかったものの、酸性雨が降り続き、ネオンや巨大なホログラム広告が輝く街でレプリカントと呼ばれる人造人間を追う物語は、徐々に高い人気を得るようになりました。その後、シリーズでは続編やスピンオフ作品が数々作られ、2026年11月には新作のドラマシリーズが配信開始される予定です。
映画「ブレードランナー」シリーズの公開順と時系列順
映画「ブレードランナー」シリーズの見る順番を理解するにあたり、シリーズのつながり、さらには公開順や時系列を紹介します。映画シリーズは、公開順と時系列順が同じとなっています。
- 映画『ブレードランナー』(1982年)
- 映画『ブレードランナー 2049』(2017年)
シリーズは1982年に第1作が公開され、カルト的な人気を博しました。その後、35年の時を経て、続編である『ブレードランナー 2049』が公開されました。
「ブレードランナー」シリーズのおすすめの見る順番
上記の公開順と時系列順を踏まえ、映画「ブレードランナー」シリーズは公開された順に見ることをおすすめします。
- 映画『ブレードランナー』(1982年)
- 映画『ブレードランナー 2049』(2017年)
第一作でブレードランナーのリック・デッカードを演じたハリソン・フォードは『ブレードランナー 2049』にもデッカード役で出演しています。彼の存在が『ブレードランナー 2049』の大きな鍵を握っているので、物語を深く理解するためにも、公開順に見た方がいいでしょう。
「ブレードランナー」シリーズのキャスト・あらすじ一覧
ここからは「ブレードランナー」シリーズのあらすじやキャストを紹介します。
『ブレードランナー』
あらすじ:2019年のロサンゼルス。かつてレプリカントを追う専任捜査官「ブレードランナー」だったデッカードは、植民惑星から地球に逃亡した4体のレプリカントを「処分」する任務を受ける。追跡を続けるなか、彼はレプリカントの感情や人間性に触れていく。自らを人間と信じていたレプリカントのレーチェルに惹かれたデッカードは、自らが人間であることの意味にも疑問を抱いていく。
出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナ、ブライオン・ジェームズ
監督:リドリー・スコット
公開年:1982年
『ブレードランナー 2049』
あらすじ:2049年のロサンゼルス。レプリカントのブレードランナー・Kは、ある事件をきっかけに、社会を揺るがしかねない重大な秘密を知ってしまう。捜査を進めるうち、Kは30年間行方不明となっていた元ブレードランナーのデッカードを追うことに。人間とレプリカントの境界を巡る謎が、K自身の存在にも迫っていく。
出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、マッケンジー・デイヴィス、シルヴィア・フークス、ショーン・ヤング
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
公開年:2017年
ファイナル・カットやディレクターズ・カットの違いとは
1982年にシリーズ第1作の『ブレードランナー』が公開されましたが、この第1作には複数のバージョンが存在します。1982年の劇場公開版は、リサーチ試写で観客から不評だった点を修正するため、ナレーションやエピローグ、ハッピーエンド的なエンディングを付け足したものでした。これらは本来、リドリー・スコットが意図したものではありませんでした。しかし、この劇場公開版は公開時はあまり評価されず、公開後だんだんと人気を獲得していったのです。
やがて1992年、公開10周年を記念し、リドリー・スコットの意向を反映して再編集された『ディレクターズカット/ブレードランナー 最終版』が公開されました。このバージョンでは、劇場公開版で付け足されたナレーションやエピローグ、ハッピーエンド的なエンディングを削除し、デッカードが見る「ユニコーンの夢」のエピソードを追加しています。この夢のエピソードにより、「デッカード自身がレプリカントなのではないか」という解釈が可能になっています。
その後、2007年には、公開25周年を記念した『ブレードランナー ファイナル・カット』が公開されています。このバージョンは1992年の『ディレクターズカット/ブレードランナー 最終版』を基本とし、再編集や再撮影、映像・音声のリマスターを行い、よりリドリー・スコットの意図に近いものにブラッシュアップしています。気になる方は、ぜひそれぞれの違いを見比べてみてください。
「ブレードランナー」シリーズのスピンオフ
「ブレードランナー」シリーズのスピンオフとして、2017年に短編三部作となる『ブレードランナー ブラックアウト2022』、『2036:ネクサス・ドーン』、『2048:ノーウェア・トゥ・ラン』の3作が公開されました。
『ブレードランナー ブラックアウト2022』は、『ブレードランナー』と『ブレードランナー 2049』の間に起きた出来事を描く短編アニメです。レプリカントによって起こされた大停電「ブラックアウト2022」の模様が描かれた、『2049』につながる作品となっています。
『2036:ネクサス・ドーン』はブラックアウトの14年後を描く実写版の短編映画。新型レプリカント「ネクサス9」を開発した科学者・ウォレスが、レプリカントを規制する当局にレプリカントの必要性を訴えます。『2049』に登場するキャラクター・ウォレスの背景を知ることができます。
『2048:ノーウェア・トゥ・ラン』も実写版の短編映画です。『2049』の1年前、レプリカントのサッパー・モートンが、事件に巻き込まれていく姿を描きます。『2049』冒頭につながる物語で、なぜサッパーがKに追われるようになったか、その理由がわかります。
また、2021年には「ブレードランナー」シリーズにインスパイアされたアニメーション・シリーズ『ブレードランナー:ブラック・ロータス』も公開されました。全13話からなるこのシリーズは、『ブレードランナー』と『ブレードランナー2049』の間である2032年が舞台となっており、ブレードランナーに追われるレプリカントの視点から物語が描かれています。
『ブレードランナー 2099』と配信サービス
「ブレードランナー」シリーズの最新作となるのが、2026年11月25日からAmazonプライム・ビデオで配信予定となる全8話のドラマシリーズ『ブレードランナー 2099』です。ミシェル・ヨーがレプリカントを演じ、リドリー・スコットがエグゼクティブ・プロデューサーとして参加する、シリーズ初の本格的ドラマシリーズです。
あらすじ:2099年、ロサンゼルス。逃亡生活を送る女性・コーラは、生き残るためにブレードランナーとなる。彼女は、死期が迫ったレプリカントのオルウェンと組み、逃亡中の人物を追うことに。ターゲットとなるその逃亡者は、脆弱な均衡の上に成り立つ都市・ロサンゼルスを崩壊させかねない秘密を隠していた……。
出演:ミシェル・ヨー、ハンター・シェーファー、ディミトリ・アボルド、ルイス・グリッベン
企画・製作総指揮:シルカ・ルイサ
監督:ジョナサン・ヴァン・タルケン、マルセラ・サイード
公開年:2026年
「ブレードランナー」シリーズを初めて見るという方や、前に見たことはあるけれど、一気に見直したいという方は、定額制の動画配信サービスで視聴するのがよいでしょう。2026年8月時点で「ブレードランナー」シリーズが見られる主な動画配信サービスとしては以下があります。
- Amazon・プライム・ビデオ:映画『ブレードランナー』、映画『ブレードランナー ファイナル・カット』、映画『ブレードランナー 2049』、ドラマシリーズ『ブレードランナー 2099』
- Hulu:映画『ブレードランナー 2049』
- U-NEXT:映画『ブレードランナー』、映画『ブレードランナー ファイナル・カット』、映画『ブレードランナー 2049』
1982年という20世紀に、近未来である21世紀、2019年という時代を退廃的な映像で描き出し、人気を博した映画『ブレードランナー』。その近未来の世界観は、その後のSF映画に大きな影響を与えました。レプリカントという人造人間を通して、「人間とは何か?」という大きなテーマを突きつけてくる、この「ブレードランナー」シリーズは、SF作品でありながら、哲学的に「人間」を描く物語とも言えます。「ブレードランナー」シリーズをまだ見たことがないという方は、この機会にぜひ見てみてはいかがでしょうか。



