週刊ファミ通編集長、カプコン新規IP「プラグマタ」を評価、AI利用に言及
週刊ファミ通編集長、新規IP「プラグマタ」を評価、AI利用に言及

創刊40周年を迎えたゲーム総合誌「週刊ファミ通」の嵯峨寛子編集長が、読売新聞の動画インタビューに応じ、ゲーム産業が抱える開発費の高騰やリメイク依存、AI利用などの課題について語った。インタビューは読売新聞ポッドキャストの公式YouTubeチャンネルで配信されている。

開発費高騰で日本勢は苦戦

国際ゲームコンテンツ市場は30兆円規模に拡大する中、大手ゲーム会社の「AAAタイトル」だけでなく、スマートフォン向けソーシャルゲームの開発費も軒並み上昇している。嵯峨編集長は、ソシャゲ市場について「相当なリスクを持って投資しているゲームが、基本無料で遊べている。そこに日本のメーカーが太刀打ちするのなら、相当なコストをかけないといけない。踏み切るのは難しいだろう」と日本勢の厳しい状況を指摘した。

独立系スタジオの活躍

一方で、中小規模の独立系ゲーム会社の活躍も目立つ。嵯峨編集長は「あまりにもAAAタイトルは開発費も制作時間もかかるので、AAAほどの時間とお金をかけなくても、十分に面白いものが生まれるんじゃないかって話が出てきています」と語る。昨年のゲームアワードでは、フランスの独立系ゲーム会社「サンドフォール・インタラクティブ」が制作した「エクスペディション33」が「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を獲得した。この作品は制作スタッフが少なく、開発費もAAAタイトルほどではないとされ、「それでもゲーム・オブ・ザ・イヤーが取れるゲームを作れるという証明になった。後押しになるのかなと思います」と評価した。

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AI利用への期待と懸念

ゲーム開発現場では早期からAIが導入され、近年は加速している。嵯峨編集長は「ゲーム業界ではかなり前からAIが活用されていますので、今後も導入されていくだろうと思っています。ただ、生成AIに対するユーザーの拒否感も強い」と現状を説明。その上で「著作権を侵害しない形で、AIを活用することで、長くかかってしまう開発期間の短縮につなげたり、高騰する開発費を抑えたりすることができるのであれば、将来的にはゲーム業界にとって良いことになっていくのではないかと思っています。生成AIに対するユーザーの拒否感はある。ユーザーの意識がこれからどう変わっていくのか、見届けていくべきポイントかなと思います」と述べた。

リメイク依存からの脱却と新規IPへの期待

国内のゲーム売り上げランキングでは人気シリーズが上位を占め、その傾向は強まっている。嵯峨編集長は「失敗したらダメージが大きく、チャレンジしづらくなってしまっています。ただ、このままだとゲーム産業やゲーム文化は衰退してしまう。各社も果敢に新規IPに挑戦していて、カプコンの『プラグマタ』が新規IPとしてヒットしました。そういったタイトルが希望になっていくと思います」と語った。

リメイクやリマスター作品が盛んに制作されることについては、「私も実際に出てきてくれるとうれしいですし(笑)。『遊びたかったんだよ、これ!』と思って」と歓迎。人気RPG『ドラゴンクエスト』シリーズはこれまで何度もリメイクされており、今年は『ドラゴンクエスト7』のリメイクが発売された。嵯峨編集長は「現代的にすごく遊びやすくなっている」と高く評価した。

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リメイクのターゲットは低年齢化

これまでのリマスターはファミコン時代の『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー7』など、30~50歳代が子供の頃に遊んだタイトルが主流だったが、今後は購入ターゲットが若年齢化すると予想する。「例えば『ポケットモンスター』のリメイクは、(シリーズ1作目の)赤・緑の時代から、今は『ダイヤモンド・パール』まで来ている。今後あるかもしれないリメイクを喜ぶのは、20代の子とか、そういうふうになっていくのかなと思います」と話した。