スペインの伝統的な寄せ木細工技法「タラセア」を駆使する造形作家の星野尚さん(70)(兵庫県宝塚市在住)の企画展が、宝塚市武庫川町の市立文化芸術センターで開かれている。ヨーロッパの街並みや日本の原風景、動植物などをテーマにした細密な絵画約160点が木のぬくもりを伝える。
タラセアとは
星野さんは兵庫県尼崎市出身。スペインのコルドバ国立美術専門学校で学んだ際、タラセアにひかれ、約45年にわたり、独自性を盛り込みながら創作活動を続けてきた。
作品の材料はチーク、サクラ、ブナなど約80種類の厚さ約1センチの板。電動糸のこぎりで、ミリ単位のパーツを切り出し、土台となる木に埋め込む。かんなをかけて光沢を出したうえで、焼きごてで輪郭や影をつけて絵画として完成させる。
木は表現できる色彩が少なく、絵の具のように混ぜ合わせて色をつくることができないが、木の持つ微妙な色の違いや木目、質感を生かして、見る角度によって立体感が出るように工夫しているという。
展示内容
会場には、スペインをはじめイタリア、ベルギーの教会、石造りの橋、路地のほか、日本庭園、能面、囲炉裏といった和の文化を精緻に表現した作品が並ぶ。カワセミ、フクロウ、クマなどの動物やバラ、アサガオの花を鮮やかに描いたもの、ボートレースをモチーフにした最新作もある。技法を理解するために、実際に作品に触れるコーナーも設けられた。
最近は良質の木材を手に入れるのが難しくなっており、星野さんは各地の森林組合に通い、信頼関係を築いて確保しているという。星野さんは「日本には木の文化があるとされるが、木のことを分かっている人は多くない。たくさんの種類があり、それぞれ個性的な色を持つ魅力を知り、木を大事にすることにつなげてほしい」と話している。
開催概要
企画展「星野尚 木の絵画タラセア 45年の歩み」は8月23日まで(月曜休館)。一般700円、高校生以下500円。問い合わせは同センター(0797・62・6800)へ。



