株式会社SODAは17日、自社に蓄積された取引データおよび真贋鑑定データに基づく、「スニダン鑑定研究所」によるポケモンカードゲームおよびポケモン関連アイテムの偽造品に関するトレンドレポートを公開した。
ポケモンカード市場の拡大と偽造品のリスク
国内の「カードゲーム・トレーディングカード」市場は8年連続で拡大を続けており、2025年度には市場規模が3384億円に到達。スニダンにおいてもポケモンカードの取引が大きく伸びており、2024年1月〜8月と比較して、2026年1月〜8月の取引数は約10倍となっている。
一方で、人気や希少性による需要の拡大に伴い、偽造品の流通リスクにも注意が必要だという。実際に「スニダン鑑定研究所」では、鑑定過程において、カードそのものを精巧に再現した偽造品や、未開封BOXの外装フィルムを加工した「再シュリンク品」など、正規品を模倣した商品を確認。今回のレポートでは、スニダンの取引・鑑定データをもとに、拡大するポケモン関連商品の人気の実態と、実際に確認された偽造品の特徴、二次流通で購入する際の注意点を解説した。
スニダンの取引データから見る人気の実態
2026年は、ポケモンとポケモンカードゲームが30周年を迎えるなか、スニダンにおけるポケモン関連商品の取引も拡大。カードに加えて、ぬいぐるみなどの関連グッズも2026年に入ってから新商品や限定商品が続々と発売され、発売時期に合わせて取引が伸びている。
ポケモンカードの取引は、関連商品のなかでも特に大きな伸びが見られるなか、9月16日に30周年記念商品「30th CELEBRATION」も発売されたことで、今後もさらなる需要の高まりが期待される。
ポケモンカードの人気の背景には、「集める」という楽しみ方の広がりがある。ポケモンカードは、同じキャラクターでも異なるイラストレーターや「レアリティ」と呼ばれる希少性の違いによって、さまざまなカードが存在。また、イベントやキャンペーンなどでしか手に入らない限定カードもあり、「好きなポケモンを集める」「お気に入りのイラストを集める」「特定のシリーズを集める」など、コレクターごとに異なる楽しみ方が生まれる。
偽造品の真贋ポイントと注意点
レポートでは、具体的なアイテムごとに偽造品の特徴を解説している。
「ミュウex FUR [M6a 135/103]」(拡張パック「30th CELEBRATION」)では、正規品と比較して偽造品では色味やレリーフ加工のディテールに違いが見られ、全体的な印刷の仕上がりに差がある。"エネルギー"のデザインが、正規品ではFUR専用の特殊デザインが採用されているのに対し、偽造品では通常のデザインが使用されており、仕様に明確な違いがある。赤外線カメラおよびUVライトで確認した際の反応が正規品と偽造品で異なり、印刷・加工仕様に差が見られる。
「ミュウツーex FUR [M6a 134/103]」(拡張パック「30th CELEBRATION」)でも同様に、色味やレリーフ加工のディテール、"エネルギー"のデザイン、赤外線カメラおよびUVライトでの反応に違いが見られる。
「ブラッキーex SAR [SV8a 217/187]」(ハイクラスパック「テラスタルフェスex」)では、正規品では背景色の濃淡がはっきりと表現されているのに対し、偽造品では色の再現精度が低い仕上がりとなっている。正規品にはカードのデザインに沿った立体的なレリーフ加工が施されているのに対し、偽造品では加工が単調で、表面の質感に差が見られる。正規品では文字やテキストの輪郭が鮮明に印刷されているのに対し、偽造品では全体的に滲みが見られ、印刷精度に違いがある。
「メガゲンガーex SAR [M2a 240/193]」(ハイクラスパック「MEGAドリームex」)では、正規品と比較して偽造品ではゴーストの輪郭が太く、コントラストにも差が見られるなど、イラストの再現精度に違いがある。カードのレリーフ加工は、赤外線カメラおよびUVライトで確認した際に正規品と偽造品で反応に差が見られ、偽造品では加工が単調な仕上がりとなっている。
「ポケモンカードゲームMEGA ハイクラスパック「MEGAドリームex」ボックス」では、正規品ではロゴの枠や文字が鮮明に印刷されているのに対し、偽造品ではロゴ周辺に滲みが見られ、印刷精度に違いがある。UVライトで確認した際のボックス全体の反応が正規品と偽造品で異なり、素材や印刷仕様に差が見られる。
「ポケットモンスター ぬいぐるみ はじまりのピカチュウ」では、正規品と比較して偽造品ではフォルムの造形に差が見られ、全体的なシルエットやパーツの形状が異なる。UVライトで確認した際の反応が正規品と偽造品で異なり、使用素材に違いが見られる。商品タグは正規品と偽造品で色味に差があり、印刷仕様にも違いが見られる。
偽造品がもたらす問題と二次流通での注意点
「安くて見た目が似ているなら、それで十分」という考え方が広がる一方で、偽造品の流通は購入者だけでなく、ブランドやクリエイター、商品を取り巻く市場全体に影響を及ぼす。
偽造品には、安全基準を満たしていない素材や染料、化学物質が使用されているケースがある。また、縫製の粗さや素材の強度不足によって、使用時の破損や思わぬ事故につながる可能性もある。偽造品が流通することで、ブランドが長年かけて築き上げた価値や信頼性が損なわれる。また、購入によって得られる利益が正規のものづくりを支えるブランドやクリエイターに届きにくくなり、創作活動への正当な評価にも影響を及ぼす。偽造品の購入は、偽造品を製造・流通させる不正業者の利益につながる。また、偽造品が市場に広がることで、消費者が安心してモノを購入できる環境づくりにも影響を及ぼす。
フリマアプリやECサイトなどの二次流通では、「並行輸入品」「海外限定」「ノベルティ」「アウトレット品」などの表記を利用して、偽造品を販売するケースが確認されている。これらは正規品でも使われる表現だが、偽造品を正規品らしく見せるために悪用される場合もある。特に「海外限定」「現地仕入れ」などの表記は希少性を感じさせやすいため、注意が必要。
なお、並行輸入品そのものは違法ではなく、海外の正規ルートから仕入れる合法的な流通形態。購入時は、販売経路や商品の情報を確認し、正規品であることや品質が保たれているかを見極めることが求められる。安心して取引を行うためには、販売者の実績を確認し、真贋鑑定を経た商品を選ぶことが大切。
スニダン鑑定研究所の取り組み
偽造品の研究・分析や鑑定技術の高度化を目的とし、2025年7月に設立。X線透過装置、FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)、赤外線カメラ、UVライト、マイクロスコープといったテクノロジー機器を活用し、外観では判別が難しい内部構造や素材の違いまで確認している。
また、鑑定拠点「スニダンベース」では100名以上の専門の鑑定士が常駐し、日々進化する偽造品の収集・分析を通じて鑑定精度を高めている。今後も精巧化が進む偽造技術に対応し、「偽造品流通ゼロ」を目指して、研究所での取り組みと現場の鑑定体制を連動させ、誰もが安心して取引を楽しめるマーケットプレイスを作り続けていく。



