漫画『満州アヘンスクワッド』(原作:門馬司)が、本日5日発売の『週刊ヤングマガジン』45号にて連載を再開した。作画担当の鹿子さんが2025年11月8日に脈絡膜悪性黒色腫のため亡くなり、長期休載していたが、後任は鹿子さんが『キングダム』でアシスタントを務めていた当時の兄弟子で、漫画家のツルシマ氏が務める。
第216話は鹿子さん最後の原稿、第217話から新体制
発売号では2話が掲載されており、前半は鹿子さんが最後に描き上げた第216話、後半はツルシマ氏が描いた第217話となっている。鹿子さんは今後も作画原案という形で作品に関わっていく。
あわせてヤングマガジン編集部、原作の門馬司氏、作画担当のツルシマ氏、そして鹿子さんの家族からのコメントが公開された。
編集部「遺志を受け後継を」、ツルシマ氏「一筆一筆に心を込めて」
連載再開についてヤングマガジン編集部は「長らくお待たせしてしまい、申し訳ございません。生前、鹿子先生は『自分がいなくなった後も、後継を立てて連載を続けてほしい』という思いを残されていました」と説明。その遺志を受け、ツルシマ氏が作画を引き受けたという。
第216話は全12ページで、鹿子さんが逝去前に描き上げた11ページに、門馬氏が人物の登場しない12ページ目を新たに構成し直し、鹿子さんのもとで本作を支えてきたアシスタントが背景を描いた。
ツルシマ氏は「出会いは『キングダム』原泰久先生のもとでした。アシスタントの後輩として入ってきた鹿子。互いに家が仕事場から遠かったこともあり、アシスタントの仕事をする際は仕事場で泊まり込み、仕事はもちろん、ゲームをしたり、テレビを見たりと、家族よりも長い時間を過ごしました。偉大な父のもとで共に育つ弟のような存在が自分にとっての鹿子という漫画家です」と思い出を回顧。作画を引き受けた理由については「『満州アヘンスクワッド』の後継のお話を編集部からいただいた際、戸惑いました。彼の不在は私にとって耐え難いもので、後継として描くことはその感情に真っ向から向き合い続けることになり、非常につらいものだと思いましたし、それよりも何よりも、多くの方々が育ててきた『満州アヘンスクワッド』という作品に私なんかが手を加えてはならないと思ったからです」と葛藤があったことを明かした。
門馬氏「紡がれた」と感動、家族も感謝のコメント
原作の門馬司氏は「故・鹿子先生と最後にお会いした時『自分に何かあっても作品を続けてほしい』という旨の話をお聞きして、正直最初は無理だと思っていました。鹿子先生の世界を再現できるのか、そもそもこんな重責を背負う仕事を引き受けてくださる方がいるのか、様々な障壁を考えると連載再開は難しい、そう思っていました。しかしツルシマ先生の描き上げられた『満州アヘンスクワッド』を見た時「紡がれた」と感動したのをよく覚えています。鹿子先生のご意志が見事に継承され、作品を続けていけることを本当に幸せに思います」とコメント。
鹿子さんの家族は「漫画を描くことを『天職』だと言っていた鹿子が、大切に、大切に描き続けてきた作品の連載が再開されることを、大変ありがたく思っております」と感謝を述べ、「鹿子が恩師である原泰久先生のもとでアシスタントをしていた頃から、兄弟子としてたくさんの時間を共に過ごしてきたツルシマ先生に続きを描いていただけること、鹿子はどんな思いで見てくれているでしょうか。鹿子の不在をまだ受け入れきれない中ではありますが、彼が生きた証がこうして受け継がれ、これからも物語が続いていくことを嬉しく思っています」と伝えた。
『満州アヘンスクワッド』は、昭和12年の満州を舞台に、戦地で右目の視力を失った関東軍兵士・日方勇が、病気の母を救うためアヘンの密造に手を染めたことから、自身と満州の運命を大きく狂わせていく姿を描くクライム・サスペンス。『コミックDAYS』(講談社)にて2020年4月から連載がスタートし、2021年9月より『週刊ヤングマガジン』に移籍して連載。コミックスの累計発行部数は350万部を突破しており、アニメ化決定&連載再開を記念して11日までヤンマガWeb・コミックDAYSにて全話無料キャンペーンが実施されている。