洲本市、公共施設の統廃合で持続可能な街づくりを推進
任期満了に伴う兵庫県洲本市長選と同市議選が8日に投開票される中、市政の課題として公共施設の統廃合が注目を集めている。洲本市は、2016年に策定した「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設数と延べ床面積を30年間で20%以上削減する目標を掲げ、持続可能な街づくりを目指している。
老朽化と財政圧迫が背景
洲本市は、2006年に旧洲本市と旧五色町が合併して誕生したが、合併後も旧市町の公共施設の統廃合が進まず、財政を圧迫してきた。市有施設は昨年3月時点で236か所あり、その多くは1960~70年代の高度経済成長期に建設された。約60年が経過し、老朽化に伴う大規模改修や建て替えが今後集中する見込みだ。市行革推進室は、全ての施設を維持管理することは財政上厳しく、再編や統廃合が避けられないとしている。
具体策として海水浴場廃止や保育園統合を実施
市は計画に基づき、2022年に五色県民サンビーチの海水浴場を廃止し、2023年には公設市場や老人憩の家を廃止した。さらに、今年4月には五色地域の五つの保育園を1か所に統合し、新たに認定こども園を開所する予定だ。また、利用者数が減少している市民交流センターは、施設の損傷が多く、周辺の代替施設を考慮して廃止を検討している。
住民からは惜しむ声と防災機能低下への懸念
公共施設の統廃合に対して、住民からは惜しむ声が上がる一方で、「指定避難所が減り防災機能が低下する」との懸念も広がっている。市の担当者は、行政サービスの質を保つため丁寧な説明を心がけ、災害対応として民間譲渡後も避難スペースを残す対策を求めている。
専門家からは街づくり全体の視点を指摘
検討委員会の副委員長を務めた徳島大学の小川宏樹教授(建築計画学)は、計画の進捗を評価しつつ、老朽化だけを指標に統廃合を進めると、中心市街地の施設が失われるリスクがあると警告。街づくり全体の視点の重要性を強調し、廃止施設の利活用は住民主体の協議会で決めるのが理想だと述べている。
洲本市の人口は今年1月末時点で4万195人と、2016年からの10年間で12%減少。年間数百人のペースで減り続け、今年中には4万人を割る見込みだ。人口減に伴い市税収入も減少基調にあり、財政状況は厳しい。市が持続可能な街として成熟を遂げられるか、公共施設統廃合の推進が試金石となる。



