北海道夕張市、財政再生の節目 2026年度末に債務返済完了へ
全国唯一の財政再生団体である北海道夕張市が、新年度の2026年度末に債務返済を完了する見通しとなった。3日に新年度当初予算案を発表した厚谷司市長は、「一言で申し上げて、厳しい20年だった」と回顧し、人口約5700人のまちの再建への決意を新たにした。
財政破綻から再生への道のり
夕張市は2006年に財政破綻を表明し、翌2007年に財政再建団体となった。破綻時には約353億円の実質的な赤字を抱えていたが、2010年度に長期借金である「再生振替特例債」(約322億円)に借り換えられた。2026年度予算案では、この残額約25億6千万円の返済を計上しており、2027年3月末までに完済する見通しだ。順調に進めば、2030年3月末には財政再生団体からも脱却する。
コンパクトシティ構想で未来を描く
人口減少が進む夕張市は、将来的に人口密度が高く見込まれる地区に都市機能や居住を誘導する「コンパクトシティー構想」を掲げている。新年度予算では、市庁舎の整備や都市公園の再編、債務完済後のまちづくりの指針となる総合計画の策定にかかる事業費を盛り込んだ。さらに、小中学生の給食費無償化などの新規事業も計上し、一般会計は前年度比5.2%増の109億4千万円となっている。
市長の思いと今後の展望
会見で「財政再建後」のまちづくりへの思いを問われた厚谷市長は、次のように語った。「人口減少に真正面から向き合い、コンパクトシティー化を進めていく。街を縮小していくことにはなるが、その中にあっても充実させるところはしっかり充実させ、市民の安心、あるいは幸福感を維持できるよう取り組んでいきたい」。厳しい財政状況を乗り越えた夕張市は、新たなステージへと歩みを進めている。



