柏崎の移動書店「はやじん書店」、客と近い距離で人気
柏崎の移動書店「はやじん書店」が好評

柏崎市内を移動、巡回する「はやじん書店」が好評を博している。同市出身の飯塚颯人さん(30)が一人で営んでおり、今年1月にオープンした。全国各地で書店が減少する中、客との距離の近さをセールスポイントに、個々の客に合わせて選んだ一冊を大切に届けている。

固定費を抑えた移動式書店

飯塚さんは柏崎市役所1階の売店に小説や新書など約200冊を並べる。売店は「まちの本屋さん」に様変わりした。

幼い頃から本が好きだった飯塚さん。県外の短期大学を経て、柏崎や長岡の一般企業に計10年ほど勤めたが、「本に関する仕事をしたい」との思いが強かった。前の仕事を辞めて実現しようとした時、「出版不況」に直面。紙の本が売れず、全国で書店が減っている。家賃や光熱費の高騰で採算が合わず、自身が通う書店で本の売り場が縮小したこともあった。だが諦めず、大型書店にない「売り方」として移動式を考案。人が集まる場所に足を運び、固定費は最小限に抑える。飯塚さんは「一冊を大切に届けるスタイル」と説明する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

客との距離の近さが強み

小規模な店では自然と客との距離も縮まる。常連客とは本の感想を言い合い、仕入れの際には「あの人に読んでほしい」と思いを巡らせる。客とともに作り上げる書店でもある。

半年余り営業し、現在は月に約100冊を販売。だが、取り扱う本のジャンルを増やすなど、改善が必要だと考えている。「紙の本が好きで求める人はいる。そういう人のために、長く本を届けられる存在でありたい」と飯塚さんは語る。

店名の由来と営業情報

「はやじん書店」の店名は、飯塚さんの子どもの頃のあだ名に由来する。月に10日ほど柏崎市内で開店する。出店情報は店のインスタグラムに掲載している。柏崎市役所の売店、JR柏崎駅前の土産物店「ぷらっと」、市内の喫茶店「FUFU茶屋」に常設の売り場があり、移動書店が来ると本の数が大幅に増える。

県内で増える無書店自治体

一般財団法人・出版文化産業振興財団の調査によると、県内の無書店自治体は2022年9月時点で5だったが、今年3月時点では7に増えた。全30市町村の約2割にあたり、妙高市、弥彦村、田上町、出雲崎町、湯沢町、津南町、粟島浦村が該当する。全国の書店数も、22年9月時点の8582店から今年3月時点では1295店減の7287店となっている。25年5月からの10か月で約250店減少している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ