東京都目黒区の祐天寺駅周辺は、交通アクセスが良好でありながら再開発が進まず、隣駅の中目黒とは対照的な街並みが広がっている。区の都市計画マスタープランでは、中目黒駅が「広域生活拠点」、祐天寺駅が「地区生活拠点」に分類され、整備の方向性が明確に分けられている。
祐天寺駅の改良工事と駅ビル建て替え
祐天寺駅では、2013年度から2018年度にかけて駅の改良工事と駅ビルの建て替えが実施された。2018年に誕生した駅ビルは地上6階建てで、1階には商業施設「エトモ」が入居している。
祐天寺に適用されたのは、タワーマンションや超高層ビルを生み出さずに街を整備する手法だった。
中目黒の再開発と鉄道による発展
一方、祐天寺のひと駅隣の中目黒では、2棟の高層ビルがそびえている。祐天寺と中目黒の街を分けたのは、鉄道による街の発展だ。
目黒区では1885年(明治18年)に品川線(現・山手線)の目黒駅が開業し(駅の所在は品川区)、1914年(大正3年)に市電が目黒駅まで延長された。しかし、目黒駅周辺は坂が多かったこともあり、商業地として発展しなかった。1923年(大正12年)に目蒲線が開業し、1925年(大正14年)に山手線が環状運転を開始すると、目黒駅は乗り換え駅の性格を強めていった。
目黒駅に代わり、目黒区で繁華街の役割を担ったのが中目黒駅周辺だった。1927年(昭和2年)3月に玉川電鉄線が中目黒まで延長され、同年8月に東横線が開業したことで、中目黒が発展していくことになった。
区の計画における位置づけの違い
目黒区の方針でも、中目黒と祐天寺はその位置づけが明確に線引きされている。『目黒区都市計画マスタープラン』では、中目黒駅は「広域生活拠点」という大きな拠点、祐天寺駅は「地区生活拠点」という小さな拠点に分類されている。
「広域生活拠点」である中目黒では、区内初の市街地再開発事業が実施された。「上目黒二丁目地区第一種市街地再開発事業」と「上目黒一丁目地区第一種市街地再開発事業」が完了し、タワーマンションや高層ビルが生まれた。現在は「中目黒駅前北地区第一種市街地再開発事業」が進行中である。
上目黒二丁目地区第一種市街地再開発事業により、2002年に中目黒GTが完成している。



