丹下健三設計「船の体育館」解体始まる 保存運動続く中、高松で工事着手
丹下健三「船の体育館」解体始まる 保存運動続く中

丹下健三設計の「船の体育館」解体工事が開始 保存運動続く中で高松市で着手

建築家丹下健三(1913~2005)が設計し、その独特な外観から「船の体育館」として親しまれてきた旧香川県立体育館(高松市)で、4月10日朝、解体工事が始まった。この日は雨が断続的に降る中、午前7時半ごろから作業員や関係車両が敷地内に入り、本格的な作業がスタートした。

保存を求める住民訴訟が進行中 公金支出差し止め求め

工事着手は、体育館の保存・再生を求める民間団体が解体工事への公金支出の差し止めを求めた住民訴訟が続いている最中での出来事となった。敷地内には工程表が貼り出され、チェーンソーの音が響き渡る中、樹木の切断作業が進められた。

その様子を少し離れた場所から撮影する人の姿も見られ、複雑な思いを抱える市民の関心の高さがうかがえた。

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「悔しい気持ちでいっぱい」 地元住民の複雑な思い

市内に住む自営業の長町君枝さん(43)は、高校1年まで近所に住み、部活動の大会で体育館を利用した経験を持つ。長町さんは「体育館は『アート県かがわ』の源流ではないかとも感じている」と述べ、「本当に解体でよいのか、気持ちが消化できない。悔しい気持ちでいっぱい」と心情を明かした。

戦後モダニズム建築の傑作 1964年完成の歴史的建造物

1964年に完成した船の体育館は、日本を代表する建築家・丹下健三が手がけた戦後モダニズム建築の一つである。香川県内には、丹下が設計した県庁舎東館(高松市)も存在し、こちらは耐震改修を経て2022年に国の重要文化財に指定されている。

船の体育館については、解体か保存かを巡る長年の議論が続いてきた。今回の工事開始は、その歴史に一つの区切りをもたらすものとなった。

工事の進行に伴い、今後は建物本体の解体作業が本格化する見込みで、地域のランドマークであった建築物の行く末に、多くの注目が集まっている。

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