「おさるのジョージ」絵本85周年、翻訳家・福本友美子が語る世代を超える魅力と翻訳術
「おさるのジョージ」85周年、翻訳家が語る魅力と翻訳術 (05.04.2026)

「おさるのジョージ」絵本が85周年、翻訳家・福本友美子が語る世代を超える魅力

何でも知りたがる元気な子ざるが活躍する米国の絵本「おさるのジョージ」。M・&H・A・レイ夫妻の原作による絵本が今年、刊行から85周年という節目を迎えています。この長寿シリーズを日本の子供たちに届けてきた翻訳家の福本友美子さんに、世代を超えて愛される魅力や、こだわりの翻訳術について詳しく伺いました。

好奇心旺盛なジョージと福本さんの出会い

ドイツ出身のレイ夫妻が創作した絵本は、「ひとまねこざる」として日本でも翻訳され、多くの読者に親しまれてきました。福本さんは、夫妻の死後、別の作者が書き継いだ「おさるのジョージ」シリーズの翻訳を手がけています。

福本さんは、「ひとまねこざる」が子供の頃から大好きだったと語ります。図書館職員を経て翻訳家になった彼女は、米ニューヨークの書店を巡っていた時、「おさるのジョージ」シリーズの存在を知りました。福本さんが「これを翻訳したい」と岩波書店に持ちかけ、翻訳が実現したのです。

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物語の主人公、ジョージはとても好奇心旺盛です。仲良しの黄色い帽子のおじさんと一緒に、人間の世界を体験していきます。おちゃめでかわいらしい姿は、世界中で愛されています。

「ジョージの『初めて』物語」としての魅力

福本さんはこのシリーズを「ジョージの『初めて』物語」とみています。絵本の中で、ジョージは初めてチョコレート工場へ行き、海や図書館を訪れます。それは、初めての場所に出かけるという経験をする小さい子供たちと同じです。

「ジョージのワクワク感を、読者にも自分のことのように感じてもらえるように訳しています」と、福本さんはこだわりを語ります。絵本のファンだというお母さんたちから「うちの子はジョージそっくりなんです」とよく言われるそうです。やっちゃダメと言われることをついやってしまういたずらっ子のジョージは、人間の子供と同じような感じ方をして行動しているようです。

原作の空気感を再現する翻訳術

英語と日本語の違いも、翻訳する上で気をつけている点です。英語はどんな人でも一人称は「I」ですが、日本語だと「私」や「僕」など様々です。福本さんは、「本をよく読んで、どういう人なのかを考え、一番ふさわしい言葉を選ぶ」と説明します。

原作の空気感を再現するため、絵本をめくりながら、英語の原文を声に出して繰り返し読むとのこと。文章のリズムやお話の雰囲気を感じ取り、日本語にした時にも伝わるように訳しています。

翻訳家としての思いと本の価値

翻訳は「裏方の仕事」だと福本さんは言います。一冊の面白い本を子供たちに届けるために日々頑張っています。「外国のお話でも、日本語に訳せば、子供たちに読んでもらえる。それがやりがいになっています」と語り、プロ意識と翻訳という仕事の奥深さを感じさせます。

本そのものの魅力は、「繰り返し読めるところ」と強調します。面白ければ友達に貸して読んでもらうことができます。大人になれば、子供に向けて、かつて大好きだった本を開いて読んであげられます。「楽しみを分け合っていけるのが本のよさだと思います」と、熱を込めて語ってくれました。

福本さんの言葉の端々に、ジョージや子供たちへの愛情が感じられます。「面白い本を日本の子供に届けたい」という思いが、翻訳の根底に流れていることが分かります。ジョージのワクワク感を自分のことのように感じながら、また作品を読みたくなるようなインタビューでした。

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