Mozillaは9月29日(米国時間)、Webブラウザー「Firefox」の最新版「Firefox 157」をリリースした。デスクトップ版とモバイル版の双方でユーザーインタフェース(UI)のデザインを一新しており、Mozillaは「ここ数年で最大のビジュアル刷新」としている。
新デザインと共通デザイン言語
新デザインは、更新されたデザインシステムを基盤とし、ツールバーやサイドバー、メニュー、各機能の外観を刷新した。配色、アイコン、テーマも見直し、タブやツールバーから新規タブページ、プライベートブラウジングまでブラウザー全体に適用している。
また、デスクトップ版とモバイル版で共通のデザイン言語を採用することで、Firefox全体の一貫性を高めた。Mozillaによると、デザイン変更によるブラウザーのパフォーマンスへの影響はない。
カスタマイズ機能の拡充とコンパクトモード復活
カスタマイズ機能も拡充した。新しいテーマピッカーでは、ライト/ダークのバリエーションを備えた組み込みテーマや壁紙から外観を選択できる。ホーム画面のショートカットに表示するサイトを選択し、ピン留めして整理できる専用スペースも設けられた。
ユーザーの要望を受けて「コンパクトモード」が復活した。タブやツールバーの間隔やサイズを縮小し、Webコンテンツに割り当てる表示領域を広げる機能である。画面の小さい端末や、複数のウィンドウを並べて使う場合などを想定しており、既定では「自動」が選択され、画面サイズなどに応じて「標準」または「コンパクト」が自動的に適用される。
技術改善とセキュリティ強化
デザイン以外では、ハードウェアAV1デコードに対応したデバイスにおいて、WebRTCのビデオ通話でAV1映像のデコードにハードウェアを利用できるようになった。従来はソフトウェアで処理していたAV1のデコードをハードウェア側に任せられる。
セキュリティ関連では、Firefoxが暗号化キーを記録するよう設定されている場合、アドレスバーのサイト情報パネルと設定画面に警告を表示するようになった。この状態では、同じPC上の別のソフトウェアが暗号化された通信を読み取れる可能性があるため、ユーザーが設定状況を把握しやすくした。
このほか、WebRTC通話でスマートフォンやタブレットから送られた映像の向きが正しく表示されない問題、WindowsでHDR動画が暗く灰色がかって見える問題などを修正した。動画の再生速度を繰り返し変更した際の音声と映像の同期も改善している。
今後の方向性
Firefoxはこの1年、Split Viewやホームページのウィジェット、組み込みVPN、AI機能を管理するコントロールなど、機能面の拡充を進めてきた。今回のFirefox 157では、そのモダン化をUI全体へと広げた形である。MozillaはFirefoxを、本来の基本方針を維持しつつ、より現代的で柔軟なブラウザーへと進化させようとしている。プライバシーやオープンWebを重視する層にとどまらず、使い勝手を理由にFirefoxを選ぶ幅広いユーザーの獲得を目指している。