【独占】東洋経済が選ぶ2024年テクノロジー10大ニュース
東洋経済が選ぶ2024年テクノロジー10大ニュース

東洋経済は2024年のテクノロジー分野における10大ニュースを発表した。生成AIの急速な普及、半導体を巡る国際競争の激化、そして宇宙開発の新たな展開など、多岐にわたるトピックが選ばれた。

生成AIの進化と社会実装

2024年は生成AIが本格的に社会実装された年となった。OpenAIのGPT-4oやGoogleのGeminiなど、マルチモーダル対応のAIモデルが相次いで登場。日本の企業でも、NTTやソフトバンクが独自の大規模言語モデル(LLM)を開発し、業務効率化や新サービス創出に活用している。特に、法律や医療分野での専門特化型AIの導入が進み、弁護士や医師の業務を支援するツールが実用化された。

半導体戦争の激化

半導体を巡る国際競争がさらに加速した。TSMCの熊本工場が2024年末に量産を開始し、日本国内での先端半導体生産が現実のものとなった。また、ラピダス(Rapidus)が北海道千歳市に建設中の工場は、2025年の試作ライン稼働を目指して順調に進捗している。米国ではCHIPS法に基づく補助金がインテルやTSMCに交付され、半導体の地産地消が進む一方、中国の半導体自給率向上も顕著で、成熟世代の半導体で過剰供給懸念が高まっている。

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宇宙開発の新時代

宇宙開発では、日本のベンチャー企業が存在感を示した。スペースワン(Space One)の小型ロケット「カイロス」が初打ち上げに成功し、民間による宇宙輸送サービスの実現に一歩近づいた。また、JAXAの火星衛星探査計画「MMX」が2024年に打ち上げられ、2025年の火星圏到着を目指す。国際宇宙ステーション(ISS)の後継として、民間宇宙ステーションの開発競争も活発化しており、Axiom SpaceやBlue Originが計画を進めている。

EV市場の転換点

電気自動車(EV)市場は2024年、世界的な販売台数が前年比で鈍化したが、中国勢の台頭が顕著だった。BYDは日本市場への本格参入を果たし、2024年の日本国内販売台数が前年の5倍に増加。一方、トヨタは全固体電池の量産化に向けた技術的ブレークスルーを発表し、2027年からの搭載を目指す。また、ホンダと日産自動車がEV向けソフトウェア分野での提携を発表し、日本メーカーの生き残り戦略が注目された。

量子コンピュータの実用化に向けた進展

量子コンピュータの分野では、IBMが1,000量子ビット超のプロセッサ「Condor」を発表。日本では、理化学研究所が開発中の超伝導方式量子コンピュータが100量子ビットを達成し、2025年にはクラウド公開を予定している。金融機関や製薬企業が量子コンピュータを用いたポートフォリオ最適化や新薬開発の実証実験を開始し、実用化への期待が高まった。

サイバーセキュリティの脅威と対策

2024年はサイバー攻撃の高度化が深刻化した。日本の大手企業や自治体へのランサムウェア攻撃が相次ぎ、特に医療機関への攻撃が社会問題化。政府は「能動的サイバー防御」の導入を検討し、関連法案の2025年通常国会提出を目指す。また、AIを活用したセキュリティ対策が普及し、異常検知や自動対応の精度が向上した。

気候テクノロジーの隆盛

気候変動対策として、カーボンリサイクルや次世代太陽電池などの技術が注目された。日本発のスタートアップである「エネコートテクノロジーズ」がペロブスカイト太陽電池の量産技術を確立し、2025年からの工場稼働を発表。また、三菱重工業がアンモニア混焼発電の商用化に成功し、火力発電の脱炭素化に道筋をつけた。

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自動運転の実用化拡大

自動運転技術の実用化が進み、2024年には東京都内でレベル4の自動運転バスが運行を開始。また、トヨタ自動車が「Woven City」で自動運転タクシーの実証実験を拡大し、2025年のサービス開始を目指す。一方、米国ではWaymoがサンフランシスコでの完全無人タクシーサービスを拡大し、日本でも自動運転タクシーの規制緩和が議論された。

ヘルステックの進化

ヘルステック分野では、遺伝子編集技術「CRISPR」を用いた治療法が日本で初めて承認された。また、遠隔医療プラットフォームが普及し、2024年にはオンライン診療の利用件数が前年比で30%増加。Apple WatchやFitbitなどのウェアラブルデバイスが心電図や血中酸素濃度の計測機能を強化し、健康管理のツールとして定着した。

日本発のグローバルユニコーン

日本のスタートアップエコシステムが活況を呈し、2024年には複数の企業がユニコーン(評価額10億ドル以上)に成長。特に、AI関連の「Preferred Networks」や宇宙開発の「ispace」が大型資金調達に成功し、グローバル市場での存在感を高めた。また、政府の「スタートアップ育成5カ年計画」の効果もあり、2024年のスタートアップへの投資総額は過去最高を記録した。