次世代エネルギーとして期待される核融合発電の実現に向け、新興企業「スターライトエンジン」(東京)は2026年7月15日、2030年代の発電実証を目指す核融合炉の建設地を公募すると発表した。核融合の発電実証を巡っては、国立研究機関や同社を含む複数の国内新興企業が計画を公表しているが、建設地を公募するのは初めての試みとなる。
産学連携プロジェクト「FAST」の概要
同社が進める産学連携の発電実証プロジェクト「FAST(ファスト)」には、30以上の企業や大学などが参画している。計画では、2035年に核融合炉の運転を開始し、商業発電が可能なことを示す発電実証を2038年に達成することを目指している。
建設地の公募は同日に開始され、都道府県と政令指定都市を対象に10月15日まで行われる。敷地面積や地盤の状態、電力・用水などのインフラ、地域の協力体制といった条件を勘案し、2028年までに建設地を決定する。既に青森県や茨城県を含む17自治体が関心を示しているという。
資金調達と今後の見通し
スターライトエンジンはまた、17の企業・団体から約60億円の投資を集めたことも明らかにした。建設準備に入る2028~2029年頃には、さらに1000億~2000億円の調達を目指す。同社の菊地清貴社長は記者会見で「世界に先駆けて発電実証や社会実装を実現し、エネルギー安全保障や経済安全保障に貢献したい」と述べた。
核融合発電は、太陽の内部で起きている核融合反応を人工的に再現し、エネルギーを取り出す技術で、燃料が事実上無尽蔵で、二酸化炭素を排出しないため、次世代のクリーンエネルギーとして注目されている。実用化にはまだ多くの課題があるが、今回の公募は実証炉建設に向けた具体的な一歩となる。



