生成AI(人工知能)の活用を支援する会社「エイティーワンエーアイ(81AI)」(山中湖村)は、2025年度「やまなし地域課題解決型起業支援金」の採択を契機に設立された。代表取締役の志村航氏が取り組む事業は、「多言語AIチャット&音声ロボットで“窓口DX”観光・公共窓口の人手不足を解消する」というもの。自動車教習所などへの問い合わせ対応を生成AIが担うことで、多言語対応と業務効率化の両立を目指している。
教育と開発の両輪で差別化
同社の最大の強みは、「教育」と「開発」の両方を手がけている点にある。志村氏は長年、IT教育やeラーニングの分野に携わり、現在も専門学校で生成AIを教える一方、自ら企業向けAIシステムの開発にも取り組んでいる。教育だけ、あるいはシステム開発だけを行う企業は多いが、その両方を実践している点は、大きな差別化要因となっている。
教習所向けAIで高精度と低コストを実現
実際に教習所向けのAI問い合わせシステムでは、教習所独自の知識をAIに学習させることで、従来より高い精度と低コストを実現した。さらに、AIが回答できなかった内容は人が補い、その情報を再びAIに学習させることで、精度を継続的に高めていく仕組みを構築している。AIを「導入して終わり」にせず、現場で育てながら活用する発想が特徴である。
柔軟な課題解決型アプローチ
もう一つの強みは、企業ごとに異なる業務に、柔軟に対応できることにある。問い合わせ対応だけでなく、既存システム同士の連携や事務作業の効率化、さらには店舗レイアウトや商品イメージの作成支援まで、AIを目的ではなく課題解決の手段として提案している。技術ありきではなく、現場の困りごとから出発する姿勢が、多くの企業から信頼を集める理由であろう。
AI活用の伴走者として期待
AI技術は日々進化している。しかし、本当に価値を生み出すのは技術そのものではなく、それを現場の課題解決へ結び付ける人材である。教育で培った伝える力と、開発で磨いた実践力。その二つを兼ね備えた81AIは、企業の「AIをどう使えばよいかわからない」を「業務が変わった」という成果へと導く伴走者として、着実に存在感を高めている。AI時代に求められるのは、技術を導入する企業ではなく、技術を使いこなせる企業である。その変革を支える存在として、81AIの今後に期待したい。



