調査会社IDCの分析により、Appleが3月に発売した低価格ノートPC「MacBook Neo」の登場が、Windows PC市場にも好影響を与えていることが明らかになった。この「Apple効果」と呼ばれる現象が、ノートパソコン全体の需要を押し上げ、出荷量予測の上方修正につながったという。
MacBook NeoがWindows PCメーカーに突きつけた課題
PC出荷台数の減少が見込まれる中で登場したMacBook Neoは、MicrosoftのOEMパートナーにさらなる競争圧力を与えている。ASUSの最高財務責任者(CFO)ニック・ウー氏は、MacBook Neoを「市場全体へのショック」と表現し、Microsoft、Intel、AMDを含むPCエコシステムが対抗策を真剣に検討していることを明らかにした。
IDCは2026年通年の世界PC出荷台数が11.3%減少し、第4四半期には前年同期比20%減となると予測している。主因は世界的なメモリー不足で、2027年末まで大きな改善は見込めず、部品価格の上昇がPCベンダーの採算を圧迫している。
こうした状況下で発売されたMacBook Neoは、コストパフォーマンスの高さから需要が高まり、Windows PCメーカーにも価格と性能の両立が求められるようになった。特に低価格帯では搭載メモリ容量に制約があるため、Windows 11自体のメモリ使用量や処理効率の改善が重要になっている。
8GBでも快適に、MicrosoftがWindows 11の最適化へ
AppleはハードウェアとOSを一体設計できるため、限られたメモリ容量でもシステム全体を最適化しやすい。一方、幅広いハードウェア構成に対応するWindows 11では、低メモリ環境での効率改善がより大きな課題となる。
現状、メモリ不足に起因する価格とパフォーマンスの問題は、他のハードウェア性能の向上では補完できない。メモリ需給バランスの改善が見込めない以上、MicrosoftとPCベンダーにとって有力な対応策の一つがWindows 11の最適化だ。
Microsoftは7月31日、8GBメモリ搭載機を対象に最適化を進め、2026年末までの完了を目指すと表明した。この最適化は16GB、32GBなど、より多くのメモリを搭載したWindows 11 PCにもパフォーマンス向上効果をもたらす見込みだ。
結果として、Appleが低価格Mac市場に打った一手が、Windows 11の効率改善を後押しする構図となった。Microsoftが8GB搭載PCでどこまで快適な動作を実現できるのか、MacBook Neoへの対抗という意味でも注目が集まる。



