三菱UFJ信託、生成AI活用の実証実験を開始
三菱UFJ信託銀行は、生成AI(人工知能)を金融業務に活用する実証実験を開始したと発表した。同実験は、契約書レビューや顧客対応の自動化など、複数の業務領域で生成AIの有効性を検証することを目的としている。
具体的には、大規模言語モデル(LLM)を用いて、契約書の条項を自動で抽出・分析し、リスクの特定や法令遵守の確認を効率化する。また、顧客からの問い合わせに対する回答を生成AIが支援し、オペレーターの負担軽減と応答時間の短縮を図る。
背景と狙い
金融業界では、人手不足や業務量の増加が課題となっており、AI技術による業務効率化への期待が高まっている。三菱UFJ信託は、生成AIの導入により、年間数万件に上る契約書レビューの時間を最大50%削減できると試算している。
同社の担当者は「生成AIは単なる業務効率化だけでなく、高度な分析や新たなサービスの創出にも貢献できる。実証実験を通じて、実用化に向けた課題を洗い出したい」と述べている。
実証実験の詳細
実証実験は2024年4月から開始され、2024年度内の実用化を目指す。実験では、複数の生成AIモデルを比較検証し、金融業務に最適なモデルを選定する。また、セキュリティやコンプライアンスの観点から、データの取り扱いや出力結果の検証も徹底する。
加えて、顧客対応分野では、生成AIが過去の問い合わせデータを学習し、より正確で迅速な回答を生成できるようにする。これにより、顧客満足度の向上とオペレーターの教育コスト削減が期待される。
今後の展望
三菱UFJ信託は、今回の実証実験の成果を基に、2025年度以降、他の業務領域への展開も検討する。具体的には、資産運用レポートの自動作成や、内部監査の効率化などが候補に挙がっている。
同社は「生成AIは金融業界の働き方を根本的に変える可能性を秘めている。実証実験を通じて、安全かつ効果的な活用方法を確立し、業界全体のデジタル変革をリードしたい」とコメントしている。



