日本通運×アクセンチュアの124億円訴訟が浮き彫りにする大規模システム開発の構造的問題
日本通運×アクセンチュアの124億円訴訟に学ぶ大規模開発の構造的問題

日本通運(日本郵政グループ)が2023年7月、基幹システム開発の受注先であるアクセンチュアに対して124億円の損害賠償を請求した訴訟は、単なる企業間のトラブルにとどまらず、日本国内のシステム開発業界が抱える構造的な問題を浮き彫りにしている。

この訴訟では、124億円という巨額の請求額や両社の主張の食い違いに注目が集まった。しかし、筆者はこれは2社固有の「失敗」ではなく、日本のシステム開発における慣習が根付いた構造的要因が背景にあると指摘する。言い換えれば、同じ失敗が繰り返される土壌は、数十年たった今でも基本的には変わっていない。

大規模開発とPMの役割変化

プロジェクトの規模によってPMの役割は大きく変わる。大規模開発では、必要なテスト工程の違いや、プロジェクトの難易度を跳ね上げる「現行機能保証」の正体を理解することが重要だ。SIerのPMとして40年の経験を持つ筆者は、大規模開発が「燃えやすい」構造的な要因を分析する。

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請負契約と現行機能保証のリスク

日本独自の「受注契約」が発注側企業に課すリスクは大きい。発注段階で詳細を確定できないまま契約を結ぶことで、後から仕様変更が発生し、開発コストが膨らむ。また、ユーザー企業が負うコスト以外のダメージとして、システム障害による業務停止や信用失墜などのリスクも無視できない。

本記事はITmediaエンタープライズのまとめ読みeBook(全16ページ)の内容を再構成したものである。同様の失敗を繰り返さないためには、訴訟の背景にある構造的課題を直視し、契約の在り方や開発プロセスを見直す必要がある。

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