広島県が生産量全国一を誇るワケギの新たな活用法を模索する中、広島修道大ひろしま協創高(広島市西区)の3年生女子生徒4人が開発・製造した「ワケギパウダー」が、食品関係者の高い評価を得ている。4人は今月5日、福岡市で開催された日本食育学会第14回学術大会でポスターセッションを行い、研究成果を発表した。このパウダーはギョーザの試作から生まれ、応用範囲が広く、ワケギの可能性を大きく広げている。
開発のきっかけはギョーザの試作
同校は2024年度から、大産地である県内で人気が伸び悩むワケギの新たな食べ方を提案しようと、授業や部活動で商品開発に取り組んできた。前年度の生徒は、子ども向けに果物と混ぜて独特の香りを抑えた「ワケギジャム」を開発している。
今年度は「香りがあってこそ」というワケギ好きの4人が、ギョーザの試作からスタート。生のワケギを刻んでタネに加えると美味しく仕上がったが、皮に使うとゴツゴツして分厚くなり、水分が出て生焼けになるなど扱いにくさが課題として残った。
そんな中、「乾燥させて粉にしたら」というアイデアが浮かび、フードドライヤーで2日ほど乾燥させ、ミルで砕いて皮に混ぜたところ、色鮮やかでムラがなく、生以上に香りが際立つことが分かった。
専門店や農家の協力で製品化
パウダー入りギョーザを冷凍し、ワケギの主要産地である尾道市の専門料理店に送って講評を依頼したところ、パウダーは絶賛され、作り方に関する質問が相次いだ。4人は今年4月、尾道市岩子島の生産農家の協力で30キロのワケギを収穫。京都府の乾燥粉末業者に加工を依頼し、1.8キロの粉末を得た。
5月には、このパウダーを混ぜたパウンドケーキや卵焼き、ふりかけ、クッキー、もみじまんじゅうなどを次々に試作。試食の結果、「甘みが凝縮されているためか、和食はもちろん想像以上にスイーツに合う」と、応用範囲の広さに手応えを感じた。
学会発表で専門家から助言
学会での発表は今月5日。4人はポスターセッションに臨み、写真を多くして見栄えを良くしたり、説明文章を練ったりと準備を重ねた。聴講者に菓子を配布する「配り役」、袋を開けてパウダーの香りを試してもらう「かがせ役」など役割分担も決めて臨んだ。
4人のうち、隠居暖乃佳さん(17)は「パウダーの栄養価を調べて、と助言をいただいた」と振り返り、盛加奈英さん(17)は「専門的な視点から見ていただき、研究を深めるための方向性がより明確になった」と話した。
今後の課題と可能性
指導した石田真一教諭(51)は「コスト低減が今後の研究課題」とした上で、「常温保存でも香りが飛ばず、軽くて輸送しやすいのも利点。規格外野菜にはこうした加工法もあると農家や企業の方々に提案したい」と述べている。



