ブラジルのサンパウロ大学などに所属する研究者らが2025年に医学誌「Neurology」で公開した論文「Association Between Consumption of Low- and No-Calorie Artificial Sweeteners and Cognitive Decline」は、人工甘味料の摂取が記憶力や思考力にどのように影響するかを調査した研究報告だ。
調査は、ブラジルに住む平均年齢52歳の成人1万2772人を対象に、8年間にわたって行われた。研究チームは、アスパルテームやキシリトールなど7種類の低カロリー・ゼロカロリー甘味料について、参加者の摂取量を調査。その合計摂取量に応じて参加者を3つのグループに分け、定期的に記憶力や処理速度といった認知機能をテストし、比較を行った。
認知低下速度が62%速い
その結果、年齢や血圧などの要因を調整した上で、人工甘味料を最も多く摂取するグループ(1日平均191mg)は、最も少ないグループ(同20mg)と比較して、全体的な記憶力や思考力の低下スピードが62%速いことが判明した。
研究者らは、この低下の差は約1.6年分の加齢に相当すると推定している。中間の摂取量グループでも低下スピードは35%速く、これは約1.3年分の加齢に相当するという。
年齢や健康状態による違いも明らかになっている。この認知機能の低下を早める関連性は、60歳未満の成人において特に有意だった。一方で、60歳以上の参加者ではこのような関連は確認されなかった。
糖尿病との関係では、糖尿病のない参加者でも関連は認められたものの、血糖値の上昇を避けるために甘味料を利用しがちな糖尿病患者において、より強い関連が見られたという。
成分別に見ると、調査対象のうちタガトースを除く6種類(アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール)において、同様に認知機能低下との関連が認められている。



