「バレなければいい」が結局損をする理由 哲学者が教える誠実さの価値
「バレなければいい」が損をする理由 哲学者が教える誠実さ

「バレなければ問題ない」。この発想が組織やチームを静かに壊していきます。私たちは自分の間違いを認めることに強い抵抗を感じ、失敗を隠したり言い訳で正当化したりしてその場をやり過ごそうとすることがあります。間違いを認めることは自分の評価が下がるように思えるからです。

誤りを認める姿勢が信頼を生む

しかし、その態度は一時的に自分を守る一方で、周囲からの信頼を確実に損なっていきます。イギリスの哲学者ポパーは、誤りを認め修正し続ける姿勢こそが理性的であると考えました。人の知識は常に不完全であり、間違いを含んでいます。だからこそ、誤りに気づいたときにそれを受け入れ、よりよい形へと修正していくことが、前に進むための条件になります。

また、ソクラテスは「自分が知らないということを知る」態度を出発点としました。間違いを認めることは、自分の限界を正確に理解することでもあるのです。

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誠実さが長期的な信頼を築く

間違いを認めることは、決して弱さではありません。むしろ、自分の状態を冷静に見つめ、次に進もうとする強さのあらわれです。隠さずに向き合う態度は、相手に対する誠実さとして伝わり、関係を立て直すきっかけになります。完璧であることよりも、誤りにどう向き合うかのほうが、長い目で見て信頼を支えるのです。

本記事は、哲学者で青山学院大学地球社会共生学部教授の小川仁志氏の著書『自分を貫くための道徳思考 正解のない時代こそ「心の軸」が武器になる』(日本能率協会マネジメントセンター)の内容に基づいています。小川氏は「バレなければ問題ない」という発想が組織やチームを静かに壊すと指摘し、誠実さの重要性を説いています。

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