朝日新聞が全国の主要74市区を対象に実施した調査で、小学校の体育授業において男女が同じ教室で着替えているケースが多数ある実態が明らかになり、幅広い世代から反響が寄せられている。保護者からは「まさか」と驚く声が上がる一方、教員からは子どもの指摘を受けて初めて問題に気づいたという証言も出ている。
PTA会長、娘の一言で実態を知る
埼玉県内の市立小学校でPTA会長を務める53歳の男性は、約3年前、当時低学年だった娘から「体育の着替えは男女同室で行っている」と聞かされ、衝撃を受けた。娘も気にしている様子で、他の保護者からも疑問の声が集まっていたという。男性はPTAとして学校側に「少子化で教室が余っているのだから、更衣室として活用してほしい」と提案したが、災害時に備えて教室の改造ができないとの理由で却下された。「まさか一緒に着替えているとは思わず、子どもに聞くまで知らない保護者も多いと思う」と男性は語る。
教員からも改善求める声
関東地方に住む50代の女性教員は、低学年の水泳授業では巻きタオルで体を隠しながら着替えることが難しく、1年生から男女別の場所で着替えるべきだと指摘する。同教員の勤務校では、1年生から男子と女子が二つの教室に分かれて着替え、担任や補助教員が分担して見守る体制を取っている。また、性別違和のある児童から相談があれば保健室での着替えも可能にしているという。
中学生の声にはっとした教員
福岡県内の市立中学校で働く女性教員は、生徒から「体育の着替えが嫌だ」という声を聞き、それまで当たり前だと思っていた男女同室での着替えに疑問を抱くようになった。この教員は「生徒の指摘にはっとした。これまで何も考えていなかった」と振り返る。
背景に学校の体質
朝日新聞の調査では、男女別の着替えを実施している自治体がある一方、未だに同室での着替えが続いている学校も少なくない。理由として、教室不足や施設の制約、教員の意識の低さなどが挙げられる。元校長への取材では、学校現場には「これまで通り」を重視する体質があり、保護者からの声がなければ改善が進まない実態が浮かび上がった。
文科相も対策表明
この問題を受け、文部科学大臣は「対策をとる」と表明し、全国の教育委員会に情報収集を指示した。一部の学校では、予算をかけずにカーテンやパーテーションを設置するなどの工夫で改善を図る例も出ている。



