自民党は7月15日、子どもが安全にインターネットを利用できる環境を整備するための法律改正案を国会に提出した。通称「エロ広告規制法」と呼ばれるこの改正案は、プラットフォーム事業者に対し、いわゆる「エロ広告」が青少年の目に触れないようにするための措置を義務付ける内容だ。
プラットフォーム事業者に新たな3つの義務
改正案では、広告に含まれる「青少年有害情報」について、デジタルプラットフォームの提供事業者に対して以下の義務を課す。(1) 青少年による閲覧を防止する措置の実施とその枠組みの作成・公表、(2) 国からの連絡を受けるための体制の整備、(3) (1)や(2)の実施状況や受領状況の公表。これにより、プラットフォーム側が自主的に対策を講じることを求める。
さらに、「青少年有害情報に準ずる程度に青少年の健全な成長を著しく損なうおそれが大きいと認められる情報」を含む広告についても、同様の努力義務を設定する。一連の施策の実施状況を評価したり、青少年がインターネットを利用できる環境の整備について調査研究したりする民間団体への支援の推進も定めている。
「マスメディアと違いネット広告は自主規制がない」
同党所属の井出庸生参議院議員は改正案について、「マスメディアと違ってネット広告は自主規制がない上に、業界団体も存在しないという現状がある。この法案はそういったプラットフォーム事業者に規制を設けるものだ」と説明している。
SNSでは、単なる性表現ではなく「青少年有害情報」に注目する内容から、実質的な表現規制の強化とする声も多い。一方、同党所属の小野田紀美参議院議員はX(旧Twitter)で「表現そのものではなく、あくまで子どもの目に触れないような表示の工夫を求めるもの」と強調している。
クレカ表現規制との関連性も
今回の改正案提出に先立ち、海外ではクレジットカードブランドによる成人向けコンテンツへの規制強化が進んでいる。例えば、Steamで一部のアダルト作品が販売停止となる事例が発生。アダルト作品の排除が別の目的のための「前例」や「足がかり」を作るためではないかとの懸念も出ている。
また、DLsiteを運営する親会社viviONは2023年12月、公式クレジットカード「viviON JCBカード」を発行。DLsiteなど同社グループのサービスで「安心して利用できる」点を特徴としている。
自民党の改正案は、こうした世界的な流れの中、日本でもネット上の表現規制を強化する動きとして注目される。



