OpenAIのGPT-Liveを記者が実機レビュー「まるで人間」と話題も、出汁を「でじる」と発音しトーストを「素焚き」と呼ぶ関西弁AIに困惑
GPT-Liveを記者が実機レビュー「まるで人間」も関西弁AIに困惑

ITmedia NEWSの2026年7月4日から10日までの週間アクセスランキングで、OpenAIが提供を開始した新音声モデル「GPT-Live」が話題を集めた。記者が実際に試用したところ、まるで人間と話しているかのような自然な会話が可能である一方、関西弁でのやり取りで思わぬ発言が飛び出すなど、AIならではの奇妙な体験もあった。

GPT-Liveとは? 新音声モデルの特徴

GPT-Liveは、ChatGPT上で音声による会話ができる新モードだ。従来の音声モデルと異なり、人間の話を聞きながらAIが「うんうん」と相槌を打ったり、バックグラウンドで別のモデルを動かして推論しつつ会話を継続できる点が売りだ。OpenAIによれば、これにより「会話がより自然に」なり、ユーザーはAIとスムーズにやり取りできるという。

ランキングでは、GPT-Liveに関連する記事が10位にランクイン。1位はクレカ決済代行の全銀システム破綻、3位はKDDIのパスワード760万人分漏洩など、セキュリティ関連のニュースが上位を占めた。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

記者が試す「Maple」というAIキャラクター

記者はGPT-Liveで「Maple」という「活発で素直」なキャラクターを選択し、会話を試みた。テンポはスムーズで、AIがしゃべっている間にこちらが遮って発言しても、ちゃんと聞き取ってつないでくれる。しかし、逆に言えば人間らしさが足りない。「私の話も聞いてよ!」という主張はゼロで、こちらの話をひたすら聞いて同意してくる。テンポは人間っぽいのに、反応はしっかりAIなのが気味悪いと記者は感じた。

標準語での会話はイントネーションが不自然で、日本語がうまい外国語話者のような印象だ。それがどうにもむずがゆく、あえて「関西弁でしゃべろうや」と提案してみた。記者は関西出身で東京在住である。

関西弁AIの衝撃「出汁を『でじる』」「トーストを『素焚き』」

関西弁はもともとクセの強いイントネーションなので、標準語のときほどの違和感はなくなった。Mapleに改めて出身を聞くと「生まれも育ちも関西」という。そこで、関西の友人と話すつもりで食べ物の話を振ってみたところ、「関西だから味が濃いのが好きでしょ」と言い出した。いや関西、めっちゃ薄味文化やぞ。

朝食の時間だったので、朝に食べるトーストの話もしてみた。すると、関西ではあまり目にしない「8枚切りのパンが好き」と言い出す。さらに、何も塗らないトーストを「素焚き」と呼び(独自?)、出汁を「でじる」と言い出した。ほんまに関西人か? てか、日本で生まれ育ったって、嘘やん?

実用的な質問には「隣に家庭教師がいる感覚」

米国のAIに日本文化ベースの雑談を求めるのは酷だった。反省し、AIが得意そうな実用的な話に振ってみることにした。聞いてみたのはGitHubの基本的な使い方。これは便利だった。

プログラミング未経験の記者は、ChatGPTやClaude Codeにテキストで指示を出して開発を進めるバイブコーディングを行っている。わからないことが出てきたとき、AIにテキストで聞く。バイブコーディングで目と手を使い、AIへの質問で目と手を使う。目と手が忙しい。

そこで、質問はGPT-Liveだけにしてみることにした。すると、手と目はコーディング作業に集中したまま、わからないことは「話す」「聞く」に分散できる。コーディング作業と質問を同時進行でき、隣に家庭教師がいてくれるような気分になった。

音声の限界と人間の優位性

ただ、声での質問や回答は端的になる。テキストでまとめて質問するときと違って、目の前の問題を一言で伝え、その解決で終わりがち。「ここでエラーが出ます」と言えば答えてくれるが、「結局、何がしたくてそれを聞いているのか」までは掘り下げてくれない。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

最終的に「私は何がやりたくてこの操作をしているんだ?」という大局が分からなくなってしまった。こういうとき、優秀なエンジニアが隣にいたら、もっと大きな視点から「この目的なら、このツールを使ってこうすればいい。それを具体的に分解すると…」と、大きな目的を前提に、具体的なステップを説明してくれるだろう。それと比べると、AIとの音声のやり取りの限界も感じた。

雑談もコーディングの支援も「最終的には人間のほうが良いよね」となってしまってすみません。GPT-Live、ごめんね。でも出汁は「だし」だからね。