グーグルAI検索で「倒産」と誤情報、岩手繊維に問い合わせ殺到
グーグルAI検索で「倒産」誤情報 岩手繊維に問い合わせ

岩手県矢巾町の繊維製品卸売業「岩手繊維」に、7月10日から「倒産したのか」という問い合わせが相次いだ。きっかけは、グーグルのAI検索サービスが表示した誤情報である。生成AI(人工知能)を活用した検索結果に、「事業を停止し、特別清算の開始決定」という事実無根の内容が掲載されたのだ。根拠として地元紙「岩手日報」が引用されていたが、同紙は該当記事を一切掲載していないと否定している。

専務が直感した同業他社の可能性

渡部義孝専務は、13日朝に社員からスマートフォンの画面を見せられ、表示された内容に衝撃を受けた。取引先が10日に誤表示を発見し、画像を保存していたという。渡部専務は「悪質な嫌がらせか」と考え、まず参照元とされた岩手日報に問い合わせたが、「そんな記事は書いていません」との返答だった。その後、脳裏に浮かんだのは、同業他社の存在だった。岩手繊維は地域で長年営業を続けており、競合他社との間で何らかのトラブルがあった可能性を直感したという。

取引先からの問い合わせが数十件に

誤情報の影響は深刻で、会社には取引先から確認の電話が数十件寄せられた。中には「今後どこから仕入れれば良いのか」と心配し、直接会社を訪ねてきた人も4人いた。渡部専務は「会社は通常通り営業しており、商品も動いている。全くの誤報だ」と困惑を隠せない。岩手日報も朝日新聞の取材に対し、紙面でもウェブサイトでも岩手繊維の事業停止を報じた事実はないと明確に否定している。

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誤情報の原因と背景

なぜこのような誤情報が生成されたのか。専門家は、AIがインターネット上の不正確な情報や、文脈を無視したデータを学習した可能性を指摘する。グーグルのAI検索は、複数のソースから情報をまとめて回答を生成するが、その過程で誤った関連付けが行われることがある。今回のケースでは、同業他社の倒産情報や、過去の類似事例が誤って岩手繊維に結び付けられた可能性が考えられる。渡部専務は「同業他社が関与しているのではないか」と疑念を抱いており、今後の調査を求めている。

岩手繊維の現状と今後の対応

岩手繊維は現在も通常通り事業を継続しており、誤情報による直接的な業務への支障はないという。しかし、信用毀損のリスクは大きく、渡部専務は「このような誤情報が拡散されると、長年築いてきた信頼が損なわれる」と懸念する。同社はグーグルに対し、誤情報の修正と再発防止を要請する方針だ。グーグルは過去にもAI検索で誤情報を表示した事例があり、今回の問題はAI技術の信頼性に改めて疑問を投げかけている。

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