銀座の高級クラブで勤務するホステスが、富裕層男性の間で実践されている「セクハラ回避術」について解説した。今日のテーマは「お金持ち男性のセクハラ回避術」。接客経験から、過剰と思えるほどセクハラ対策を徹底する富裕層男性が少なくないという。失うものが多いからこそ、セクハラと受け取られかねない状況を避けるためのルールを徹底しているのだ。
1. 物理的空間の回避:密室の徹底排除
お金持ち男性が最も恐れているのは「密室で2人きり、何が起きたか証明できない状況」だ。これを防ぐため、彼らは「密室の徹底排除」にこだわる。ある経営者はオフィスリフォームの際、社長室や役員会議室を全面ガラス張りにし、「打ち合わせ中はブラインドを絶対に閉めない」ルールを課している。周囲の従業員から常に中が見える環境が誤解を招かないためのポイントだ。
打ち合わせの会場選びでも、個室や自宅、ホテルの一室は避け、ホテルラウンジや喫茶店を利用する。部下や取引先との重要な面談では、必要に応じて第三者を同席させ、2人きりの密室をできるだけ避ける。
2. コミュニケーションの「デジタル証拠化」
お金持ち男性は、女性スタッフや部下にプライベートなLINEを一切教えず、SlackやChatworkなどログが残る社内ツールのみでやり取りする。彼らが「ログ」にこだわる理由は、「客観的なログだけが自分を救う唯一の盾」だと理解しているからだ。
プロジェクト成功時のお礼メッセージも、1対1のDMではなく、グループチャットなど全体に共有される場で発信し、「個人的な好意」と誤解されることを防ぐ。「おはよう」「おやすみ」「彼氏いるの?」など業務に関係ない連絡はもちろんしない。
3. 会食・プライベートでの「鉄壁ルール」
お金持ち男性は、お酒が入る場でのリスクを避けるため、1次会でスマートにご馳走して先に帰ることを徹底。自宅の方向が同じでもタクシーは別々に手配し、部下や取引先と2人きりで長時間過ごす状況を避ける。送迎が必要な場合は配車サービスを利用し、公私の線引きを明確にする。決して「もう少し一緒にいたいな」と相手を強引に引き止めたりしない。
4. 「聖人君子」のペルソナ化
容姿、服装、髪型に関する褒め言葉は、たとえお世辞でもセクハラと捉えられかねないため一切口にしない。会社のデスクには家族写真を飾り、会話に妻や子どもの話題を自然に織り交ぜることで「聖人君子」としてのキャラを確立させる。「スピーチとスカートは短い方が良い」「乾杯おっぱーい」など、TPOにそぐわないジョークも言わない。
5. 外部通報窓口の設置
社内に外部通報窓口を設け、リスク管理を徹底。社内だけでは相談しづらい場合でも、外部窓口があれば第三者に相談でき、問題が深刻化する前に対応しやすくなる。個人間の泥沼化を避け、法律や社内ルールに沿った事実確認や対応が可能だ。また、外部窓口の設置自体が「私はハラスメントを一切許さない品行方正な経営者です」という強力なアピールになる。セクハラを訴えた女性従業員に逆ギレすることは絶対にない。
ハラスメント意識が低い人=リスク管理能力が絶望的に低い人
ここまで現代のエグゼクティブたちが実践する「徹底したリスク管理」を見てきたが、一方で、新人営業や新人ライターだった頃には、「やってはいけないこと」をフルコンプリートした最悪なおじさんたちが社内にも取引先にもまあまあいた。直前に「みんな来られなくなった」と嘘をついて2人きりの会食に誘い、ホテルへ誘導しようとする。LINEでは「今エロいこと考えてる?」「下着姿の写真を撮りたい」と業務外の下劣なメッセージを連発。挙げ句の果てに、断ると逆ギレ――。
お金持ち男性たちの洗練されたリスク管理の姿勢を見た後だと、この手のおじさんはもはや「絶滅寸前の恐竜」のように見える。中には問題行動が表面化し、仕事上の立場を失った人もいた。ここで気づくべきは、「ハラスメント意識が低い人=ビジネスのリスク管理能力が絶望的に低い人」という冷徹な現実だ。一瞬の油断で地位も名誉も失う現代において、女性の身体を触り放題できた時代を懐古する人間が出世できるはずもない。「消えていった者たち」を反面教師とし、スマートに生き残るエグゼクティブたちの「リスク管理」を私たちも参考にしたい。



