日本三大祭りの一つ、京都・祇園祭は17日、前祭(さきまつり)の山鉾(やまほこ)巡行を迎える。「動く美術館」といわれる豪華な懸装品(けそうひん)に彩られた23基の山鉾が、「コンチキチン」の祇園囃子(ばやし)とともに、京都市中心部を優雅に進む。
山鉾巡行の見どころとスケジュール
山鉾巡行は祭り最大の見せ場。当日は午前9時、先頭の長刀(なぎなた)鉾が四条烏丸を出発する。鉾に乗った稚児が太刀でしめ縄を切った後、四条河原町の交差点では、山鉾の進行方向を90度変える「辻回し」がおこなわれる。辻回しは河原町御池の交差点でもあり、山鉾はここから御池通をゆく。長刀鉾が新町御池に着くのは午前11時20分ごろの見込みだ。
祇園祭山鉾連合会の木村幾次郎理事長によると、午前9時前には「青龍神水」と呼ばれる水を四条通にまいて道を清める儀式が行われる。青龍神水は八坂神社と神泉苑の水を合わせたもので、2022年から始まった新しい伝統だ。
各地点でのイベント詳細
9時ごろ、長刀鉾が「エンヤラヤー」のかけ声とともに四条烏丸を出発。高さ約25メートル、重さ約11トンの長刀鉾は、毎年先頭を進むことが決まっており、「人形」ではなく「人」が稚児を務める唯一の山鉾だ。鉾頭に「大長刀」を飾ることから命名され、刃先は八坂神社や御所を向かないように飾られるという。
9時10分ごろ、四条堺町で「くじ改め」が順次行われ、事前に決まった順番通りに山鉾が進んでいるかを確認する。順番は7月2日の「くじ取り式」で決定。先頭の長刀鉾に続く「山一番」は郭巨山。長刀鉾や函谷鉾などは「くじ取らず」と呼ばれ、慣例で順番が決まっている。
9時20分ごろ、四条麩屋町で長刀鉾の稚児、ノートルダム学院小3年の長谷航太郎さん(8)が「しめ縄切り」を行う。鉾から身を乗り出し、神域との結界とされるしめ縄を太刀で切る。長谷さんの祖父・幹雄さんもかつて稚児を務めた。
9時40分ごろ、四条河原町の交差点で1回目の辻回しが披露される。割った青竹を車輪の下に敷き、水をかけて滑らせることで山鉾を90度方向転換させる。青竹が使われるようになったのは道路がアスファルトで舗装されてからという。「車方」と呼ばれる人たちがかじ取りを担う。
10時20分ごろ、2回目の辻回しが河原町御池の交差点で行われ、その後山鉾は御池通を西へ進む。御池通は京都市中心部を東西に結ぶ主要幹線道路で、道幅は50メートル(鴨川西岸~堀川通)。戦後に大幅に広がったため、1956年から巡行コースに選ばれた。
11時20分ごろ、先頭の長刀鉾が新町御池に到着。巡行を終えた山鉾はこの交差点でも辻回しをして、新町通を南下し各町の会所へ戻る。巡行後、各山鉾は速やかに解体される。
交通規制の詳細
京都府警は祇園祭にあわせて交通規制を実施する。前祭の山鉾巡行がある17日は午前8時~午後2時10分、後祭の24日は午前8時半~午後1時、四条通の堀川通―木屋町通間や御池通の釜座通―木屋町通間などを順次車両通行止めにする。
また、神輿渡御(みこしとぎょ)が行われる神幸祭(しんこうさい)の17日は午後5時50分~18日午前0時半(川端通―東大路通は17日午後9時まで)、車両通行止めとなる。詳細は京都府警のホームページで確認できる。当日の問い合わせは日本道路交通情報センター(050・3369・6626)。
山鉾巡行の順番
前祭の山鉾は23基。☆は慣例で順番が決まっている「くじ取らず」。順番は以下の通り。
【前祭】(1)☆長刀鉾(2)郭巨山(3)占出山(4)山伏山(5)☆函谷鉾(6)油天神山(7)綾傘鉾(8)太子山(9)月鉾(10)蟷螂山(11)孟宗山(12)保昌山(13)鶏鉾(14)木賊山(15)四条傘鉾(16)霰天神山(17)菊水鉾(18)伯牙山(19)白楽天山(20)芦刈山(21)☆放下鉾(22)☆岩戸山(23)☆船鉾
【後祭】(1)☆橋弁慶山(2)☆北観音山(3)鯉山(4)八幡山(5)浄妙山(6)☆南観音山(7)鈴鹿山(8)役行者山(9)黒主山(10)☆鷹山(11)☆大船鉾
山鉾の順番決定方法
祇園祭の山鉾の順番は、前祭23基と後祭11基の計34基が、くじ取り式で決まる。ただし、長刀鉾、函谷鉾、放下鉾、岩戸山、船鉾(前祭)、橋弁慶山、北観音山、南観音山、鷹山、大船鉾(後祭)は「くじ取らず」として毎年同じ順番で巡行する。



