世界最大級の高級時計専門取引サイト「クロノ24」のホセ・ガステルCEO(最高経営責任者)が6月に来日し、インタビューに応じた。ガステル氏はこれまで熱心な時計コレクターとしてのキャリアを歩んできたわけではないが、それゆえの強みもあるという。
クロノ24の規模とガステル氏の背景
クロノ24には、150カ国超の3千以上の販売事業者と、6万人超の個人販売者が約60万点の時計を出品。サイト訪問者数は毎月約900万人にのぼる。時計好きであれば誰もが知るサイトのトップを務めるガステル氏は、時計への愛情を次のように語る。
「子どもの頃からメカニカルな時計やフィルムカメラが好きでした。デジタルでは味わえない魅力がありましたし、祖父や叔父から受け継いだ時計もあって、時計には家族の思い出が詰まっていました。ただ、時計には興味があっても、詳しいわけではありませんでした」
本格的に関わるようになったのは昨年7月にクロノ24に入社したことがきっかけだったという。これまでファッションをはじめ複数のEコマース企業で経営に携わってきたからこそ、時計という商材の特殊性を強く感じたという。
時計市場の特殊性と信頼の重要性
「ファッションは非常にダイナミックな市場ですが、消費のサイクルが速く、数週間ごとに新しいものが求められます。一方で時計は違います。何十年も使い続けることができ、世代を超えて受け継がれる存在です。節目の誕生日や結婚、子どもの誕生など、人生の記念日に購入されることも多い。だからこそ、一つひとつの取引に信頼が何より重要になります」
クロノ24では、本物であることの保証や物流体制、販売店との信頼関係の構築に力を入れている。
テイラー・スウィフト効果と日本市場の評価
ガステル氏は、セレブリティが着用した時計の市場への影響力について言及。「テイラー・スウィフトが着用した時計は、サイト上で即座に完売しました。セレブの影響力は非常に大きく、特に若い世代の関心を集めるきっかけになります」と述べた。
また、日本市場については「日本の販売店への評価は高い。日本の時計愛好家は知識が深く、品質に対する要求も厳しい。そのため、日本で信頼を得ることは世界的にも重要な意味を持つ」と評価した。
今後の時計市場の展望
ガステル氏は、高級時計市場の今後について「中古市場の拡大が続く。特に、若い世代が中古時計に興味を持ち始めており、サステナビリティの観点からも注目されている」と分析。クロノ24では、認証済み中古時計の需要増に対応するため、品質保証の強化に取り組むとしている。



