スマートフォンのアラーム機能を使う習慣が、仕事の質や集中力の低下を招く可能性があると、脳機能研究の第一人者である東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授が指摘している。同教授は、スマホの長時間使用が脳の活動を阻害し、依存症を引き起こす医学的リスクを警鐘している。
スマホ使用が脳に与える3大リスク
川島教授は、スマホの使用禁止を推奨する医学的3大理由として、1)学力の低下、2)脳の発達停止、3)依存症の誘発を挙げている。特に、スマホ利用時間が長い子どもほど成績が低下するという調査結果を約15年前に発表しており、この傾向は大人にも当てはまるとされる。同教授の著書『スマホ依存が脳を傷つける』(宝島社新書)では、スマホ使用が脳の前頭葉の働きを鈍らせ、創造性や集中力を奪うメカニズムが解説されている。
仕事の質低下とスマホの関係
ノンフィクション作家の笹井恵里子氏も、自身の体験からスマホが仕事に与える悪影響を実感している。笹井氏は、以前は2時間で書けていた3000字の原稿が、最近では2日かかるようになり、集中力の低下や原稿の質の低下に悩んだという。原因を探る中で、大学生の娘がタイムロッキングコンテナを使ってスマホやパソコンを制限する姿に触発され、川島教授の研究に行き着いた。
スマホ依存がもたらす集中力の危機
川島教授によると、スマホを頻繁に使用すると、脳が常に短い情報にさらされるため、集中力が10秒しか持続しなくなるという。これは、スマホが依存しやすいように設計されていることも一因で、仕事の効率や質を著しく低下させる。同教授は「スマホを使っていると脳を使っているように感じるが、実際は脳が働いていない」と述べ、スマホの使用時間を制限する必要性を強調している。
日常生活での具体的な対策
笹井氏は、川島教授の指摘を受けて、スマホのアラーム機能をやめ、目覚まし時計を使用するように変更した。また、仕事中はスマホを別室に置くなどして、使用時間を意識的に減らす工夫をしている。これらの対策により、集中力の回復や原稿の質の改善が期待できるという。



