楽天モバイルとpovoの組み合わせが最適な理由
楽天モバイルは、データ無制限でありながら月額3000円台前半で使える料金の安さや、楽天ポイントが貯まりやすい経済圏連携が評価され、昨年末に1000万回線を突破した。しかし、利用者増加に伴い通信速度の低下が頻発し、同社は基地局増設などの設備投資を急いでいる。さらに、郊外や人口密集地以外で楽天モバイルのエリアを支えてきたKDDIのローミングが、9月に終了する。これに先立ち、KDDIと楽天モバイルは徐々にローミングエリアを縮小しており、急激なエリア変化により楽天モバイルが突然つながらなくなるケースが増えている。
こうした状況で役立つのがデュアルSIMだ。品質の良い回線を組み合わせることで、エリア不足を補完できる。特に、KDDIのオンライン専用ブランド「povo2.0」は、新たに導入した1年1.32TBのトッピングを選択すると、1カ月あたり110GB、3270円で利用可能。使い方によっては、単にpovoに乗り換えるよりも、楽天モバイルと併用した方がメリットが大きい。ただし、設定には工夫が必要であり、そのテクニックを以下で解説する。
2回線でも維持費は安い、両社のメリットを総取りに
iPhoneは、2018年発売の「iPhone XS」以降、eSIMやデュアルSIMに対応。現行モデルはすべてデュアルeSIMをサポートしており、2回線同時に電話を待ち受けられるほか、どちらか一方を選んでデータ通信が可能だ。海外渡航時に役立つ機能としてアップル自身も旅行用機能を充実させているが、楽天モバイルとpovoのような組み合わせでも活躍する。
2回線だと料金が倍になると懸念されるかもしれないが、そうではない。楽天モバイルはデータ使用量に応じて金額が決まる段階制料金プランを採用している。20GBを超えると3278円だが、3GB以下なら1078円で済む。楽天モバイル側のデータ使用量を抑えれば、2200円の節約になる。その節約分でpovoを契約し、年1.32TBのトッピングを購入する。毎月の料金は3270円(ペイディで12分割払いの場合)となり、楽天モバイルとの2回線合計は4348円。楽天モバイル単体より高いが、1078円の追加でエリアや快適さに定評のあるKDDIのネットワークを利用できる。
povoは7月に年1.32TBの大容量トッピングを導入。12分割すると110GBで3270円になる(画像:筆者によるスクリーンショット)。
データ通信の切り替えはすぐできるように
デュアルSIM運用では、データ通信の切り替えを素早く行うことが重要だ。iPhoneの設定から「モバイルデータ通信」を選び、楽天モバイルとpovoのどちらをメインにするか切り替えられる。ただし、毎回手動で切り替えるのは煩わしいため、ショートカットアプリを使って自動化する方法もある。例えば、特定の場所で自動的に回線を切り替える設定や、アプリごとに使用回線を割り当てることも可能だ。
オートメーションでRakuten Linkの非通知を防ぐ
楽天モバイルの通話アプリ「Rakuten Link」は、povo回線でデータ通信中に利用すると発信者番号が非通知になる問題がある。これを防ぐには、ショートカットアプリで条件を設定する。例えば、Rakuten Linkを開いたときにデータ通信を楽天モバイルに自動切り替えするオートメーションを作成する。具体的には、ショートカットアプリで「App」トリガーを選び、Rakuten Linkを指定。アクションに「モバイルデータ通信を設定」を追加し、楽天モバイルの回線を選択する。これで、Rakuten Link使用時は自動的に楽天モバイル回線に切り替わり、非通知を防止できる。
デュアルSIM運用は、楽天モバイルの安さとpovoの品質を両立する賢い選択肢だ。設定に少し手間はかかるが、一度構築すれば快適なモバイルライフが実現する。



