トヨタ、水素エンジン車の量産を2026年に開始へ
トヨタ、水素エンジン車を2026年量産 (08.07.2026)

トヨタ自動車は、水素を燃料とするエンジン車の量産を2026年に開始する方針を固めた。同社はこれまで燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)と並ぶカーボンニュートラルの選択肢として水素エンジンの開発を進めてきたが、量産化の具体的な時期を明らかにしたのは初めて。

水素エンジン車の概要と開発経緯

水素エンジンは、従来のガソリンエンジンをベースに、燃料を水素に変更したもの。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、カーボンニュートラルの実現に貢献する。トヨタは2021年のスーパー耐久シリーズに水素エンジン車「GRカローラ」を投入し、実証実験を重ねてきた。

トヨタの豊田章男会長は「水素エンジンは、エンジン技術やサプライチェーンを活かせる現実的な選択肢」と述べ、量産化への意欲を示していた。今回の決定は、2023年5月に設立した水素エンジン開発の専門組織「水素エンジンプロジェクト」の成果によるものとみられる。

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量産計画の詳細と市場への影響

量産開始は2026年を予定し、まずは商用車や産業用車両から投入する見通し。トヨタは水素エンジンを搭載した小型トラックやバスなどを想定しており、既存のエンジン生産ラインを活用することでコストを抑える。

トヨタの広報担当者は「水素エンジン車は、EVと比べて航続距離や燃料補給時間で優位性がある。特に長距離輸送や重量車両での需要を見込んでいる」と説明する。一方で、水素ステーションの整備が課題となっており、政府やエネルギー企業との連携が不可欠となる。

カーボンニュートラル戦略における位置づけ

トヨタは2023年4月、2030年までにEVの世界販売を350万台とする目標を掲げたが、同時に水素エンジンやFCV、ハイブリッド車(HV)など多様なパワートレインを推進する「マルチパスウェイ戦略」を採用している。水素エンジンの量産化は、この戦略の一環として位置づけられる。

業界関係者からは「トヨタが水素エンジンに本格参入することで、水素社会の実現が加速する可能性がある」との声があがる。一方で、水素の製造コストや供給インフラの課題は依然として大きく、普及には時間がかかるとの見方も強い。

今後の課題と展望

トヨタは水素エンジン車の量産に向けて、水素の安定供給とコスト低減が最大の課題と認識している。同社は2023年7月、水素製造装置メーカーの米プラグパワー社と提携し、水素の製造・供給体制の強化を図っている。

また、水素エンジン車の販売価格は、現時点ではガソリン車やEVに比べて高くなると予想されるが、トヨタは量産効果によるコストダウンを目指す。同社の技術担当役員は「2026年までに水素エンジンのコストを現状の半分以下に引き下げる」と目標を掲げる。

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