三重県伊勢市は23日、9900万円で購入した小型の自動運転バスを報道関係者に公開した。11月から人工知能(AI)を活用した自動運転の実証実験を開始する。伊勢神宮の第63回式年遷宮が行われる2033年までに、外宮と内宮を結ぶ路線で大型の自動運転バスによる有償運行を目指す。
購入車両の特徴
購入した車両は、特定条件下で無人運転を行う「レベル4」の自動運転に対応できるティアフォー(東京)の電気バス「Minibus 2.0」(客席15)。レーザー光を使ったライダー8台とミリ波レーダー6台、カメラ19台を備え、周囲360度を立体的に把握して信号の認識や障害物の検知などを行う。ナンバープレートは式年遷宮にちなんで「2033」とした。
実証実験の内容
市は購入車両を使って11月2日から来年2月22日にかけ、近鉄五十鈴川駅と内宮を結ぶ2.5キロ区間で、必要に応じて運転手がハンドルやブレーキなどの操作を行う「レベル2」による実証実験を行う。期間中の最高時速は40キロ。運行事業者の三重交通が津市の本社で走行状況の遠隔監視を行い、運用面の課題を抽出する。
伊勢市は昨年度も同区間で、運行ルート上で想定される車両の動作をエンジニアがプログラミングする「ルールベース」で、レベル2の実証実験を行った。今年度は運転手が運行ルートを何度も走行してAIに運転技術や道路環境などを学習させる「AIベース」を組み合わせたハイブリッド構成の自動運転を試みる。
今後の計画
市は来年度も同区間でレベル2の実証実験を行った上で、国土交通省からレベル4による自動運転の認可(走行環境条件の付与)を受け、28年度には同区間で購入車両を使ったレベル4の有償運行を始めたい考えだ。