富士フイルム、圧力変化をリアルタイム可視化する面圧センサシステム「プレスケールモーション」発売
富士フイルム、圧力変化を可視化する面圧センサシステム発売

富士フイルムは9月7日、加圧開始から終了までの圧力のかかり具合をリアルタイムに可視化する動的面圧センサシステム「プレスケールモーション」を発売した。最大加圧時の圧力分布を測定する既存の圧力測定フィルム「プレスケール」と、発色画像から圧力を数値化するモバイルアプリ「プレスケールモバイル」を組み合わせて使用する。

半導体ウェハ研磨時の圧力変化をリアルタイムに測定

半導体ウェハの研磨工程では、研磨ヘッドとウェハの接触状態や、研磨中に加わる荷重の変化が、ウェハ面内の平坦性や研磨量の均一性を左右する。最大加圧時の圧力分布を確認するだけでは、研磨開始時や加速・減速時、研磨終了時など、工程途中で発生する一時的な圧力ムラや接触状態の変化を特定できない場合がある。

プレスケールモーションは、専用フィルムとコントローラで構成する面圧センサを用い、加圧開始から終了までの圧力変化を約30Hzで測定する。取得した圧力分布をモバイル端末上へリアルタイムに表示し、測定データの保存や再生、TSV形式での出力にも対応する。これにより、研磨工程におけるヘッドとウェハの接触状態が時間の経過とともにどのように変化したかを確認でき、特定の工程条件で圧力が一部に集中する、研磨途中で圧力分布が変化するといった現象を把握し、研磨装置の制御条件や消耗部材の状態を見直すためのデータとして活用できるようになるという。

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静的・動的圧力データを組み合わせて評価

従来のプレスケールは、圧力が加わると赤く発色し、その濃淡によって圧力の大小や分布を可視化し、発色したフィルムをプレスケールモバイルで読み取ることで、最大・最小・平均圧力、加圧面積など13種類の圧力情報を数値化していた。一方、プレスケールモーションは、最大加圧時の測定では把握しにくい加圧過程の変化を捉える。富士フイルムによると、最大加圧時の静的圧力データと、加圧過程の動的圧力データを組み合わせて一元的に分析できる面圧センサシステムは世界初だという。

例えば、最大加圧時には正常な圧力分布を示していても、加圧途中の特定のタイミングで一時的な偏りが発生していれば、製品や装置に想定外の負荷が加わる可能性がある。静的・動的データを組み合わせることで、異常が発生した位置だけでなく、発生したタイミングや継続時間も確認できるようになる。

80mm角と200mm角の2種類を用意

専用フィルムは、計測範囲が80mm角と200mm角の2種類を用意する。厚さはいずれも0.2mm以下で、推奨圧力範囲は0.5~2.5MPa。感度調整機能によって、測定対象に応じた圧力範囲に設定できる。測定点は32×32の計1024点で、80mm角フィルムの素子サイズは2.5mm、200mm角フィルムは6.25mmとなる。コントローラのAD変換は8bitで、内蔵バッテリーから給電する。

面圧センサとモバイル端末の接続にはBluetooth Low Energy(BLE)を採用した。測定用の配線をモバイル端末まで引き回す必要がなく、装置内や可動部を含む測定環境での取り扱いやすさを高めた。専用フィルムには1枚ごとにキャリブレーションファイルが設定されており、プレスケールモバイルへダウンロードすることで、利用者があらためてキャリブレーション作業を行わずに測定を開始できる。また、フィルムはコントローラから取り外せるため、コントローラを継続使用しながらフィルムのみを交換できる。

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圧力データを工程改善や設備保全に活用

半導体や電子部品の製造工程では、装置の設定値が同じであっても、部材の個体差や装置の摩耗、温度変化、設置状態などによって、実際に製品へ加わる圧力が変化する場合がある。プレスケールモーションで圧力の時間変化を記録すれば、正常時と異常時の波形や圧力分布を比較し、装置の状態変化を把握する用途にも活用できる。圧力変化が通常と異なる傾向を示した場合に、部品交換や装置調整を行うことで、突発的な故障や不良の発生を抑えられる可能性がある。

また、製造条件と圧力データ、検査結果を紐付けて蓄積することで、圧力ムラと製品不良の関係を分析し、工程条件の最適化やトレーサビリティの強化につなげることも可能となる。富士フイルムは、プレスケールとプレスケールモバイルによる最大加圧時の評価に、プレスケールモーションによる時間軸のデータを加えることで、圧力検査のデジタル化と高精度化を推進する。半導体ウェハの研磨をはじめ、電子部品や電池などの開発・製造工程に展開し、不具合の原因解析、設備メンテナンスの効率化、歩留まり改善を支援していくとしている。