セレンスAIは8月25日、同社の緊急車両検知技術「Cerence Emergency Vehicle Detection(Cerence EVD)」が、東京大学発ベンチャーである先進モビリティの自動運転バスプラットフォームに採用されたことを発表した。
国内の実証実験に導入、2027年の商用展開目指す
国内の複数地域で行われる自動運転バスの実証実験に導入し、接近する救急車、消防車、パトカーなどのサイレンを検知。自動運転システムが緊急車両の接近を早期に把握し、適切な車両制御を行うための情報として活用する。
今回の取り組みは、セレンスAIにとって日本国内の自動運転バスプログラムへの初参画となるほか、Cerence EVDを車外に設置したマイクで運用する初の事例になるという。
サイレン音でカメラなどによる周辺認識を補完
自動運転バスの実用化に向けては、緊急車両の接近を認識し、適切に対応する機能が必要となる。特に交通量の多い道路や交差点、建物などで視界が制限される環境では、後方や交差道路から接近する緊急車両をカメラで捉える前に、サイレン音が届く場合がある。
Cerence EVDは、セレンスAIのAudio AI技術を活用して周辺の音を解析し、交通騒音や環境音から緊急車両のサイレンを識別する。47カ国、1500種類以上のサイレンに対応し、救急車、消防車、パトカーの接近を検知できるという。
Cerence EVDは自動運転車を直接制御するものではなく、自動運転システムで用いられるカメラ、レーダー、LiDARなどのセンシング技術にサイレン音の情報を加えることで、周囲環境の認識を補完する追加レイヤとして機能し、緊急車両を検知した情報を自動運転システムへ提供する。ほかのセンサ情報と組み合わせることで、緊急車両の接近方向や周囲の交通状況を判断し、減速、停車、進路を譲るといった制御につなげることを想定する。
車外設置マイクを利用する初の運用事例
今後、国内で実施される自動運転バスの実証実験において、車外に設置したマイクを用いて車両周囲のサイレン音を取得。Cerence EVDを活用して、接近する緊急車両を検知し、複雑な実交通環境において適切に対応できるよう支援することで、より安全で信頼性の高い移動の実現につなげていき、2027年の商用展開を目指したいとしている。
今回の採用は、音声認識や車内アシスタントなどといった車内で用いられてきたセレンスAIのAudio AI技術を、車外の環境認識へと広げる取り組みとなる。カメラやレーダー、LiDARに音の情報を組み合わされることで、自動運転バスによる交通サービスの安全性と信頼性を高められ、社会実装が進むことが期待される。



