熊本地震後に激減の「ブルー・ビー」、館長の絵本第2版で自然保護訴える
熊本地震後に激減の「ブルー・ビー」、絵本第2版で自然保護訴え

熊本県南阿蘇村の「葉祥明阿蘇美術館」館長、葉山祥鼎さん(77)が執筆した絵本「ブルー・ビー」の第2版が発行された。24年前、同館の庭で見た青色模様の「ルリモンハナバチ」を題材に創作。近年、同館では姿があまり見られなくなり、葉山さんは絵本の重版を機に自然保護の大切さを訴えている。

「ブルー・ビー」の由来と絵本の誕生

葉山さんは熊本市出身で、兄は絵本作家の葉祥明さん。美術館(約165平方メートル)は木造平屋で高原の敷地(約6万6000平方メートル)にあり、2人の絵本の原画などが展示されている。

開設から数日後、葉山さんは美術館の庭で青色模様のハチがバジルの花を飛び回っているのを発見。驚いて東京の博物館に尋ねたところ、詳しい生態がわかっていないルリモンハナバチであることがわかり、「ブルー・ビー」と呼んで親しむようになったという。

絵本のストーリーと第2版発行

自然豊かな阿蘇地域でも開発によって自然が失われることを危惧していた葉山さんは、ルリモンハナバチが危機感を訴えているように感じ、絵本の執筆を始めた。絵は長男の禎治さんが手がけ、「ブルー・ビー」という作品名で2004年7月に出版。第2版は今年4月に発行された。

絵本は、木や野花が失われつつある中、「たすけて!」という「ブルー・ビー」の叫び声を聞いた「デップおじさん」が、花や木を大切に育て、小さな生き物たちが幸せに暮らせるようになったというストーリー。葉山さんがイチョウやカエデなどを植えて育てた美術館の敷地が、舞台のモデルとなっている。

地震後の激減と葉山さんの呼びかけ

ルリモンハナバチは毎年7~9月頃に姿を現す。葉山さんは「幸せを運ぶハチ」と呼び、このハチを題材とした絵本をこれまでに10冊以上手がけた。美術館の敷地は「絵本の丘」として知られるようになった。

ところが、16年4月の熊本地震で美術館の一部が損壊するなどの被害を受けて以降、飛来する個体が激減。減少傾向は続き、今年は7月中旬に1匹を確認しただけだった。葉山さんは「地震で山が崩れたことや、近年の地球温暖化などで、生態系が影響を受けているのかもしれない」と推測。「ぜひ絵本の丘を訪れ、自然がどのように変わりつつあるかを確かめ、自然を守る大切さを知ってほしい」と呼びかけている。