水田直播ドローン開発加速 秋田の産学官グループ、国の委託事業に採択
水田直播ドローン開発加速 秋田の産学官グループ、国の委託事業に採択

秋田県産業技術センターと機械製造会社「東光鉄工」(大館市)など県内の産学官グループは14日、種もみを水田に直接まく農業用ドローンの開発が、国の委託事業に採択されたと発表した。これまで中山間地の大半の田んぼでは大型農機の導入は困難だったが、新たなドローンは人工衛星を活用し、精度の高い種まきが可能になる。

開発の概要と実証実験

開発に携わるのは、県立大と県農業試験場を加えた4者。2021年から大仙市で実証実験を続けている。既存のドローンに、準天頂衛星「みちびき」からの位置情報を把握する受信機を搭載。機体下部の容器には最大12キロの種もみを収容できる。

同センターによると、県内の耕地の9割は水田で、作付面積の4割は中山間地が占め、その大部分は不整形・狭小という。このため、田植え機などの導入は難しく、電波状態が不安定でドローンの導入も困難とされていた。

技術改良と国の支援

開発グループは、不整形の田んぼでも苗が一列になり、散布した種もみが風の影響を受けないようプログラムを改良するなどした。従来の種まきドローンはどこで種をまき終えたかが分かりにくい欠点があったが、残量を把握し、どこから散布を再開すればいいのか分かるように工夫した。

今月1日には「中山間地小区画圃場に適した水稲直播対応ドローンの開発」として国の委託事業となり、今年度から28年度まで9000万円の補助を受ける。

今後の展開と期待

開発グループは今年度、受信機の試験や自動航行の精度アップを進め、28年度には大館、由利本荘市の中山間地などで種まきを行う。並行して、防虫、防草につなげるため農薬散布の実用化にも取り組む。

ドローンで精度の高い種まきができれば、育苗や田植えの手間が省ける。記者会見で、同センターの杉山重彰所長は「育苗と田植えは春の農作業の約25%を占める。農業従事者の高齢化が進む中、スマート農業技術の開発は急務」と述べ、東光鉄工の伊藤均会長は「農家の省力化につながる。29年度には全国普及を目指し、将来的にはアジアにも広げたい」とした。