トヨタの水素エンジン開発、商用車で実用化へ 2027年までに
トヨタ水素エンジン、商用車で実用化へ

トヨタ自動車は、水素を燃料とするエンジン(水素エンジン)を商用車に搭載し、2027年までに実用化する方針を明らかにした。同社は既に水素エンジンを搭載した試作車で走行試験を開始しており、ガソリンエンジンと比較して二酸化炭素(CO2)排出量を90%以上削減できるとしている。

水素エンジン開発の背景

トヨタはこれまで、燃料電池車(FCV)である「MIRAI」などで水素の活用を進めてきたが、水素エンジンは内燃機関をベースにした新たなアプローチだ。同社の担当者は「水素エンジンは既存のエンジン技術やサプライチェーンを活用できるため、商用車への導入コストを抑えられる」と説明する。また、水素エンジンは燃料電池車に比べて出力密度が高く、大型トラックなど重量物の輸送に適しているという利点がある。

走行試験の成果と課題

トヨタは2023年から、水素エンジンを搭載した試作車(ハイエースベース)を用いた公道走行試験を日本国内で開始。試験では、水素エンジンがガソリンエンジンと同等のトルクと出力を発揮できることを確認した。一方で、水素の供給インフラの整備が課題となっている。現在、日本国内の水素ステーションは約170か所にとどまり、商用車の普及にはさらなる拡充が必要だ。

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商用車への展開計画

トヨタは2025年までに水素エンジンを搭載した小型トラックの試作車を公開し、2027年までに量産化を目指す。対象は主に配送用トラックやバスなど、短距離から中距離の路線を走る商用車を想定している。また、水素エンジンはカーボンニュートラル燃料の一種として、欧州や中国などでも注目されており、トヨタは海外市場への展開も視野に入れている。

業界の反応と展望

自動車業界では、電気自動車(EV)への移行が加速する中、水素エンジンは「内燃機関の延命策」との見方もある。しかし、トヨタは「EVだけが唯一の解決策ではない」とし、地域や用途に応じたマルチパスウェイ戦略を強調。水素エンジンは、特に長距離輸送や重機など、バッテリーEVでは航続距離や充電時間の面で課題がある分野での活用が期待されている。

トヨタの水素エンジン開発は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた選択肢の一つとして、今後の動向が注目される。

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