温水洗浄便座「ウォシュレット」で知られるTOTOが、半導体関連企業としても存在感を強めている。2026年3月期決算では、半導体製造装置向け部材を中心とするセラミック事業の営業利益が、初めて主力の住宅設備事業を上回った。鍵となったのは、衛生陶器づくりで培った技術力だ。
セラミック事業が住宅設備を逆転
TOTOの2026年3月期のセラミック事業の売上高は674億円で、全社売上高の1割に満たない。しかし、営業利益は289億円に達し、主力の住宅設備事業の280億円を上回り、全社営業利益の5割強を占めた。世界的なAI(人工知能)投資の拡大に伴う半導体需要の高まりが追い風となった。2027年3月期も、セラミック事業の営業利益は365億円と、さらに3割近く増加する計画だ。
静電チャックで世界シェア2位
TOTOのセラミック事業の主力製品は「静電チャック」である。これは半導体製造装置内で、シリコンウェハーを静電気の力で固定する特殊な台だ。装置内は腐食性ガスがプラズマ化した過酷な環境にある。原料を調製して焼き上げるという、衛生陶器と同じプロセスを経て生産される静電チャックには、TOTOの技術力が生かされ、高い耐久性と信頼性で世界シェア2位を誇る。
メモリー半導体は記憶容量を増やすために微細化が進んでおり、静電チャックの需要は今後も拡大が見込まれる。TOTOは中津工場(大分県中津市)に第4棟を建設し、生産能力を増強している。セラミック事業は、TOTOの新たな収益の柱として成長が期待されている。



