半導体パッケージ基板、需要急増で新工場ラッシュ、設備投資は過去最高に
半導体パッケージ基板、需要急増で新工場ラッシュ

半導体パッケージ基板の需要が急増している。5G通信やAI(人工知能)、データセンター向けの高性能半導体の需要拡大を受け、パッケージ基板メーカー各社は新工場の建設ラッシュに踏み切っている。2024年の業界全体の設備投資額は過去最高の1兆円を超える見通しだ。

需要急増の背景

半導体パッケージ基板は、半導体チップを搭載するための基板で、高速・大容量のデータ処理に対応するため、微細配線や多層化が進んでいる。特に、5G基地局やデータセンター向けの半導体では、従来の基板では性能が追いつかず、高機能なパッケージ基板の需要が急増している。

業界関係者によると、パッケージ基板の供給は2023年時点で需要に対して約2割不足しており、解消には2025年以降までかかる見通しだ。このため、各社は大規模な設備投資を加速している。

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各社の新工場計画

最大手のイビデンは、岐阜県大垣市に約2000億円を投じて新工場を建設中で、2025年の稼働を目指している。同社はすでに台湾に工場を持ち、世界シェア約3割を占めるが、さらなる増産を図る。

また、新光電気工業は長野県小諸市に約1500億円を投じ、2026年稼働の新工場を計画。さらに、凸版印刷も半導体パッケージ基板事業を強化し、新潟県に約1000億円の新工場を建設する。

韓国のLGイノテックも、ベトナム・ハイフォンに約1兆ウォン(約1100億円)を投じ、パッケージ基板の新工場を建設中だ。台湾のユニマイクロンも、中国・広州に新工場を計画している。

設備投資額の推移

業界団体の日本プリント回路工業会(JPCA)によると、2024年のパッケージ基板関連の設備投資額は、日本企業だけで約6000億円、世界全体では1兆円を超える見込みだ。これは前年比で約40%増となり、過去最高を更新する。

JPCAの担当者は「需要は今後も拡大が続く。特にAI向けの半導体では、パッケージ基板の性能がシステム全体の性能を左右するため、さらなる技術革新と投資が必要だ」と述べている。

技術競争の激化

パッケージ基板の微細化競争も激化している。現在の主流は配線幅が20μm(マイクロメートル)程度だが、次世代では10μm以下が求められる。各社はガラスコア基板や有機材料の新技術を開発し、差別化を図っている。

イビデンは、ガラスコア基板の量産技術を確立し、2025年からサンプル出荷を開始する計画だ。同社の技術責任者は「ガラスコア基板は、従来の有機基板に比べて熱膨張率が低く、微細配線に適している。これにより、性能を大幅に向上できる」と説明する。

今後の見通し

市場調査会社の富士経済によると、半導体パッケージ基板の世界市場は2023年に約2兆円で、2030年には約4兆円に倍増する見通しだ。供給不足は2025年以降に徐々に解消に向かうと予想されるが、技術革新のスピードが需要をさらに加速させる可能性もある。

半導体メーカーからは、パッケージ基板の安定調達が喫緊の課題となっている。ある半導体メーカーの調達責任者は「パッケージ基板の不足が、半導体全体の生産計画に影響を与えている。早期の増産が望まれる」と話す。

パッケージ基板業界は、空前の投資ブームに沸いているが、過剰投資のリスクも指摘される。しかし、各社は中長期的な需要増を見込み、積極投資を続ける構えだ。

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