日本郵船、ENEOS、JERAの3社は、アンモニアを燃料とする船舶の実証実験を2026年に開始すると発表した。これは世界初の試みで、海運業界の脱炭素化に向けた重要なマイルストーンとなる。
実証実験の概要
実証実験では、日本郵船が保有する大型液化ガス運搬船を改造し、アンモニアを主燃料として運航する。ENEOSはアンモニアの供給を担当し、JERAは燃焼技術の開発と安全評価を担う。実験は2026年から約2年間実施される予定だ。
アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、次世代のクリーン燃料として注目されている。ただし、燃焼時に窒素酸化物(NOx)が発生する課題があり、今回の実証ではNOx排出を低減する技術も検証する。
海運業界の脱炭素化と3社の役割
国際海運からのCO2排出量は世界全体の約2~3%を占め、国際海事機関(IMO)は2050年までに2008年比で50%以上の削減を目標に掲げている。アンモニア燃料船の実用化は、この目標達成に大きく貢献すると期待されている。
日本郵船の担当者は「今回の実証は、アンモニア燃料船の商業化に向けた重要なステップだ」と述べている。ENEOSはアンモニアの安定供給体制の構築を目指し、JERAは発電所でのアンモニア混焼技術の知見を活かす。
今後の展望と課題
アンモニア燃料船の普及には、燃料供給インフラの整備や安全基準の確立など、多くの課題が残されている。3社は実証実験を通じてこれらの課題を解決し、2030年までの商業運航開始を目指す。
また、政府も「グリーンイノベーション基金」などを通じて、アンモニア燃料船の開発を支援している。今回の実証実験は、日本の海事産業が世界をリードする可能性を示すものだ。



