世界のスマートフォン出荷台数が2026年に停滞するとの予測が、部材メーカーである日東電工に大きな試練をもたらしている。スマホ市場の成長を鈍化させる要因は、AIサーバー向けメモリー需要の急増による半導体メモリー価格の高騰だ。これにより、汎用メモリーの需給が逼迫し、価格上昇が加速している。
アップルも値上げ、消費者の買い控え懸念
メモリー価格上昇を受け、6月25日にはアップルがパソコンやタブレットの値上げを発表。他の電子機器メーカーも追随するとみられ、販売価格の上昇が消費者の買い控えを招く可能性が高い。
こうした市場環境の変化に直面しているのが、日東電工だ。「グローバルニッチトップ」を標榜する同社は、ディスプレー用偏光板や高精度基板、バッテリー固定用テープなど、スマホに不可欠なニッチ製品で世界トップのメーカーと取引してきた。
電子機器向け事業に陰り
日東電工はスマホやパソコン向けのフィルムや基板などの電子機器製品で営業利益の7割を稼いできたが、その構図が変わりつつある。2026年度の主力セグメント「オプトロニクス」の事業利益は、前期比1.2%減の1480億円にとどまる見通し。前期の製品撤退や一部値下げの影響が剥落するにもかかわらず、2期連続の減益となる。
半導体向け高機能テープに活路
日東電工は、スマホ依存からの脱却を図り、半導体向け高機能テープなど新たな分野に商機を見いだそうとしている。同社は12年ぶりの社長交代も実施し、経営体制を刷新。半導体領域へのシフトを加速させる方針だ。



