経済産業省は2026年度、半導体の設計から製造までの工程を国内で一貫して行う企業に対し、新たな補助金制度を創設する方針を固めた。先端半導体の安定供給を確保し、経済安全保障を強化する狙いがある。関係者への取材で明らかになった。
補助対象は設計から製造まで一貫投資
新制度では、半導体の設計と製造の両方に投資する企業を支援対象とする。補助率は投資額の3分の1程度を想定しており、国が費用の一部を負担することで、国内での半導体生産拠点の整備を後押しする。経産省は2026年度の概算要求に関連費用を計上する方針だ。
半導体を巡っては、台湾有事など地政学的リスクの高まりを受け、先端品の供給網(サプライチェーン)の脆弱性が顕在化している。日本政府は2021年以降、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場や、ラピダスの北海道工場などへの大型補助を決定してきた。今回の新制度は、そうした個別案件への支援に加え、より広範な企業の国内投資を促す枠組みとして位置づけられる。
官民連携で半導体戦略を加速
経産省幹部は「半導体はデジタル社会の基盤であり、経済安全保障上も極めて重要だ。設計から製造まで国内で完結できるエコシステムを構築する必要がある」と述べ、新制度の意義を強調した。
政府は2023年に半導体戦略を改定し、2030年までに国内半導体関連の売上高を15兆円に引き上げる目標を掲げている。新制度の創設により、官民連携での投資加速が期待される。一方で、巨額の財政負担に対する懸念も根強く、補助金の効果検証や出口戦略の明確化が課題となる。



