日本政府、半導体戦略で台湾TSMCとの連携強化へ、国内生産拡大を目指す
日本政府、TSMCとの連携強化で半導体国内生産拡大へ

日本政府は、半導体産業の競争力強化に向け、台湾積体電路製造(TSMC)との連携をさらに深める方針を固めた。経済産業省が2024年度から数年間で総額約3兆円規模の支援策を準備しており、熊本県に建設中のTSMC第1工場に加え、第2工場の建設も視野に入れた大規模な投資計画が浮上している。

TSMC熊本工場の現状と拡大計画

TSMCは熊本県菊陽町に建設中の第1工場について、2024年12月の量産開始を目指して工事を進めている。この工場は、22/28ナノメートル(nm)プロセスを中心に、車載用半導体や画像センサーなどの需要に対応する。さらに、同社は第2工場の建設も検討しており、より先端の12/16nmプロセスや5nmプロセスの導入が期待されている。

経済産業省の担当者は「半導体は経済安全保障の要であり、国内での安定供給体制の構築は喫緊の課題だ。TSMCとの協業は、日本における先端半導体製造の基盤を築く上で極めて重要」と述べている。

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政府の支援策と産業界への影響

政府は、TSMC熊本工場に対する補助金として、第1工場に約4,760億円を支出済み。第2工場への支援も含め、総額1兆円を超える公的資金投入が検討されている。また、半導体関連企業の国内誘致や人材育成にも力を入れ、九州を中心とした半導体産業のエコシステム形成を目指す。

この動きは、自動車産業や電子機器メーカーなど、半導体を多く消費する日本企業にとって歓迎すべきニュースだ。トヨタ自動車やソニーグループなどは、安定した半導体調達のメリットを享受できると期待される。

国際的な半導体競争の激化

世界的な半導体不足を背景に、各国は自国での生産能力拡大にしのぎを削っている。米国はCHIPS法に基づき約5兆円の補助金を投じ、IntelやTSMCの工場誘致を進める。欧州連合(EU)も欧州半導体法で約4兆円規模の支援を計画。日本はこれらに後れを取らないよう、官民一体となった戦略が求められる。

半導体業界アナリストの和田洋一氏は「日本は製造装置や材料で強みを持つが、先端ロジック半導体の製造では遅れをとっている。TSMCとの協業でそのギャップを埋め、半導体産業全体の底上げを図る必要がある」と指摘する。

今後の課題と展望

一方で、TSMCへの過度な依存はリスクも伴う。台湾海峡をめぐる地政学的緊張が高まれば、供給途絶の懸念が生じる。政府はTSMC以外にも、米国Intelや日本のラピダスなど、複数のパートナーとの協業を模索している。

また、半導体工場の運営には大量の水と電力が必要であり、熊本県では既に水不足の懸念が指摘されている。地元自治体との調整やインフラ整備も、今後の重要な課題となる。

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