Huawei、1.4nm相当を目指す新法則「タウスケーリング」を発表 2031年までに実現へ
Huawei、1.4nm相当を目指す新法則「タウスケーリング」

中国Huaweiは5月25日、信号遅延の圧縮によりトランジスタ密度を高める独自法則「タウスケーリング」を発表した。国際学会IEEE ISCAS 2026の基調講演で同社のHe Tingbo氏が明らかにしたもので、2031年にはこの法則を用いた独自技術でハイエンドチップのトランジスタ密度を14A(1.4nm)プロセス相当まで高める見込みだという。

タウスケーリングの概要

タウスケーリングは、トランジスタの微細化に代わり、デバイスからシステムまでの各階層で時間定数タウを圧縮して信号伝搬遅延を短縮し、トランジスタ密度とチップ性能を高める設計思想である。デバイス階層ではトランジスタや配線の抵抗・寄生容量を最適化。回路階層では独自アーキテクチャ「LogicFolding」で従来のレイアウトの物理的限界を打破し、クリティカルパスの配線短縮で信号伝搬の抵抗・容量負荷を削減するという。

チップ・システム階層の革新

チップ階層ではソフトウェア・アーキテクチャ・シリコンの協調設計で命令・データの流れを細粒度に制御し、実行時間を短縮する。システム階層では独自プロトコル「UnifiedBus」でメモリアドレッシングを統一し、通信遅延を削減するとしている。Huaweiはこれらの技術をスマートフォンやAIコンピューティング向けに適用し、過去6年間で381種類のチップを設計・量産してきたという。

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今後の展開

また、2026年秋に発売予定のKirinチップにLogicFoldingを初搭載するとしている。ムーアの法則はトランジスタの微細化が物理的限界に近づき、コスト面の優位性も縮小しつつある。Huaweiは米国の輸出規制下で先端プロセスへのアクセスが制限される中、微細化に依存しない独自路線を打ち出した形だ。

背景と関連動向

ムーアの法則の提唱者であるゴードン・ムーア氏は2023年に死去。サーバ進化の技術的側面や、10年前に「ムーアの法則が終わる」と言われた頃からの変遷など、関連する議論も活発だ。米商務省はHuaweiへの輸出規制を拡大し、米技術採用チップの入手をさらに制限している。2021年にはムーアの法則が限界を迎えるとの見方も広がったが、Huaweiは新法則で半導体の高集積化を継続する方針を示した。

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