EVシフト加速で半導体需要急増、車載チップ市場が2030年に倍増へ
EVシフトで車載半導体市場が2030年に倍増

電気自動車(EV)の世界的な普及加速に伴い、車載半導体の需要がかつてない規模で拡大している。業界関係者によると、2023年に約600億ドルと見込まれる車載半導体市場は、2030年には1200億ドルを超える規模に倍増する見通しだ。この成長の主な原動力は、EVに不可欠なパワー半導体や、自動運転技術に必要なセンサー類の需要急増にある。

EV1台に搭載される半導体の数は従来車の2倍以上

従来のガソリン車には1台あたり約500〜600個の半導体が搭載されているのに対し、EVでは約1000〜1500個と、2倍以上の半導体が必要とされる。特に、バッテリーの電力制御やモーター駆動に使われるパワー半導体(SiCやGaNなど)の需要が急増。さらに、自動運転レベル3以上の実現には、LiDARやカメラ、レーダーなどのセンサー類が必須となり、これらを制御する高性能半導体の需要も拡大している。

半導体メーカー各社が車載向けに巨額投資

こうした需要拡大を受け、世界の半導体メーカーは車載向けに巨額の投資を計画している。例えば、インフィニオンテクノロジーズは2023年、車載パワー半導体の生産能力を増強するため、ドイツのドレスデン工場に50億ユーロを投資すると発表。また、オン・セミコンダクターは、EV向けSiCパワー半導体の生産拡大に15億ドルを投じる計画だ。日本のルネサス エレクトロニクスも、車載半導体の需要増に対応するため、国内外の工場での生産能力増強を進めている。

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車載半導体の需給逼迫は2024年も続く見通し

2020年から続く世界的な半導体不足は、車載向けでは2023年後半から緩和傾向にあるものの、需要の急増により2024年も引き続き需給は逼迫すると予想されている。特に、パワー半導体やマイコン(MCU)は供給不足が続く見込みだ。これに対し、自動車メーカーは半導体メーカーとの長期契約を結ぶなど、安定調達に向けた動きを加速させている。

自動車産業のサプライチェーン再編も加速

半導体の重要性が増す中、自動車メーカーと半導体メーカーの直接取引や協業も増えている。トヨタ自動車は、デンソーと共同で車載半導体の設計・開発を行う新会社を設立。フォルクスワーゲンも、半導体メーカーとの直接契約を強化している。こうした動きは、自動車産業のサプライチェーン構造を大きく変える可能性がある。

半導体業界のアナリストは、「EVシフトは半導体業界にとって大きなビジネスチャンスだが、同時に技術革新と投資競争も激化する。特に、次世代パワー半導体の開発競争は、EVの性能や航続距離に直結するため、各社の命運を分ける重要な要素になる」と指摘している。

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