過去最高売上とものづくり精神
マウスコンピューターは6月23日、メディアとパートナー企業向けカンファレンス「Mouse Communication Partner Conference」を開催。代表取締役社長の軣秀樹氏は、2025年度の売上高が過去最高を記録したと発表した。国内パソコン市場全体が低迷する中、ゲーミングPCが売上を牽引した。
軣社長は「ものづくりの精神を起点とした取り組み」を強調。変化する市場環境を生き抜くため、昨年を超える実績を目指す方針を示した。
地域貢献施策として、長野県飯山市との親子パソコン組み立て教室や、キッザニアでのパビリオン展開を継続。また、国内4拠点による24時間365日サポート体制の維持、新設の3R推進室、厳しい環境試験による品質向上など、安心・品質強化策も報告された。
エヌビディア副社長との対談:AI新時代
カンファレンスの目玉は、軣社長とエヌビディア日本代表兼米国本社副社長の大崎真孝氏によるトークセッション。大崎氏は「AIエージェントが最新トレンド」と指摘し、対話型AIからパーソナルアシスタントへの移行を説明。軣社長は「AIは“脳”から“手”に変わった」と同意し、ハードウェア販売のみへの依存に危機感を示した。今後はパートナー連携を強化し、ハード、アプリケーション、セキュリティを含む統合販売を推進する。
大崎氏は、ノートPCサイズで高性能な「RTX Spark」を紹介。個人が手元でAI開発できる時代の到来を告げた。軣社長は「国内企業が懸念するクラウドのセキュリティ不安を解消できる、日本に最適なモデル」と期待を示した。
ローカルAIの可能性と戦略
両氏は、手元のPCで処理を完結させる「ローカルAI」の可能性について議論。大崎氏は、セキュリティ、スピード、コストの3つのメリットを提示。自国データを活用する「ソブリンAI」や、日本の機械工学と融合する「フィージカルAI」の時代において、手元の開発環境の重要性を強調した。
軣社長は、国内メーカーとしてローカルAI製品開発に先頭で取り組む意志を表明。自社内に導入し、修理解析や品質改善に活用し、顧客に実体験の価値を説明できる体制を整える。これにより法人向け国内シェアを伸ばす好機と捉えている。
新製品ラインアップ:ミニPCとゲーミングに集中投資
製品発表では、部品価格高騰への対策として、ミニPCとPCゲーミングの2分野に集中投資する戦略が示された。
注目は、クリエイター向けブランド初の超小型デスクトップ「DAIV CX」(2026年8月販売開始)。片手で持てるサイズながら128GBメモリを搭載し、大規模言語モデルの実行環境を机の上で実現。AI開発者や医療、金融などセキュリティ重視の現場に最適。
また、白いミニPC「mouse CA」(2026年8月販売開始)は、リビングに溶け込むデザインで、エントリーからハイエンドまで3つの性能を選択可能。海外製ミニPCに対し、24時間365日の国内サポートで差別化する。
2026年10月には、法人向け新コンセプトのミニPC「MousePro 新ミニPC」を販売予定。液晶ディスプレイブランドiiyamaからは、デュアルモード対応の「G-MASTER GB2771UHSU-B1」も発表された。
その他、生体顔認証対応の「MousePro C4/C5」、静音性重視の「mouse A4/A5」、Copilot+ PCでRTX搭載の「DAIV Z5」、12.2型1kg以下の「mouse X2」「MousePro G2」などが発表された。2026年後半にはゲーミングセグメントでも大きな発表が予定されている。
まとめ
今回のカンファレンスは、単なるスペック競争ではなく、AIと人間の新たな関係性やユーザー体験価値の向上を重視するマウスコンピューターのものづくりの本質を示すものとなった。



